地域おこし協力隊が発見した「幻の干し餅」
2月の季語である「初花月(はつはなつき)」を名前に持つこの干し餅、一般的な四角い干し餅とは全く違う形をした干し餅です。
月のような形はその独特の製法にあります。よくある型枠に入れる製法ではなく簾(すだれ)を使う事で、この形が出来上がります。
また、形だけでなくその味も特徴的。他の干し餅よりも甘みがしっかりと感じられ、サクッとした食感と相まって、お茶受けにぴったりです。
地域おこし協力隊の林孝行さんが暮らす大館市大葛地域の「森越集落」。ここに住む佐藤弘子さんが、ひっそりと製法を守ってきました。この干し餅を林さんが発見したのは平成22(2010)年の冬のこと。林さんの提案もあり、弘前市「野市里(のいちご)」主催の「我が家干し餅自慢大会」への出場が決まります。初出場にもかかわらず高評価をもらい、3位入賞を果たしました。
その後、地元有志の手により「初花月の会」が結成され、本格的な生産が始まりました。使っている材料は他の干し餅と変わりませんが、独特の甘みや食感は一朝一夕ではまねできません。
佐藤弘子さんの経験と勘を頼りに作られる干し餅は大葛地域だけの味。平成24(2012)年に行われた大館市のイベント「比内とりの市」や「アメッコ市」で販売され、大好評を博しました。
平成23(2011)年4月掲載
こちらの記事もおすすめです
大葛温泉
かつて東大寺や金閣寺の建設に、大館市大葛(おおくぞ)地域の大葛金山の金が使われたという言い伝えが残っています。 その金山が栄えた集落の一角に「大葛温泉」があります。古くから評判だった湯で、大正時代、村人が湯治...
自然・施設
体験施設
大谷七夕
小さな集落で守られてきた伝統 8月6日、旧暦の七夕に合わせて行われる「大谷七夕」は、大館市大葛地域の中で一番南にある大谷集落で行われる行事です。 大人たちは、灯籠がいくつも付いた、まるで竿灯のような竿を、子供た...
伝統行事・イベント
季節の行事
ベニヤマサクラ
ベニヤマザクラは、東北や北海道で多く自生していることから「蝦夷山桜」とも呼ばれます。ヤマザクラ系のサクラで、花は淡紅紫色の一重咲き、葉と花がソメイヨシノよりも大きく、別名は「大山桜」とも呼ばれます。 大館市大葛...
自然・施設
花・樹木