大館市中野地域に伝わる小正月行事が雪中田植えです。この行事は、地域住民の親睦を図るため、中野や五日市などの町内会が合同で参加する「三岳地区まちづくり協議会」によって、毎年2月11日の勤労感謝の日に行われています。
すげ笠と蓑をまとった男性が、足跡一つない1間(1.8m)四方の雪田に稲わらや豆がらを植え付けていきます。そして、箒で虫を追い払い、参加者全員でお神酒を酌み交わします。
1週間後に雪田の様子を見て、植えた稲わらなどが倒れていたり垂直に立ったままだったりすると不作、程良く傾いていると豊作とされます。
続いて室内で行われるのが、豊作祈願行事「なしっこ」です。木の枝に梨の実に見立てた紅白のもちを付け、なたを持った男性が木に向かって「梨っこなるか?ならねば切るぞ」と切る真似をします。これに対し、会場の全員で「なるなる」と声をそろえ、それを聞いた男性は「んだば切らねぇ」と言うのです。
その後は住民の皆さんによる交流会。手作りの比内地鶏の鶏かやきやおしるこに舌鼓を打ちながら、子供民謡や地域の方々の歌を聴きながら、冬の楽しいひと時を過ごします。
平成23(2011)年4月掲載
【関連リンク】産地直送ブログ
→中野地域で雪中田植えと高齢者センターまつり(2019年2月掲載)
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