画像:梺・郷ノ目・南元西雪まつり(ゆきとぴあ七曲)

 昭和39年(1964年)まで、羽後町の七曲峠を越えての嫁入りは、実際馬そりや箱ぞりなどを使っていたと言います。その様子を祭りとして再現したものが「花嫁道中」です。

 毎年、1月の最終土曜日に開催されるこのお祭りは平成24(2012)年で27回を数え、今ではテレビ局や新聞社などが毎回取材に来るほど、有名なお祭りとなりました。
西馬音内中心部(羽後町役場庁舎前)から出発した馬そりは、七曲峠をめざしてゆっくりと進み、途中雪まつり広場に立ち寄って花嫁と花婿が祝福を受けます。夕暮れ迫る中、道の両側には雪の中にろうそくが灯され、「キャンドルロード」と呼ばれる、幻想的な光景が出現します。

 ここ、堀回地域でも同じに日に、梺・郷ノ目・南元西雪まつりが開催されます。西蔵寺のすぐ隣、梺郷の目児童館には雪山が作られ、子どもたちが歓声を上げています。地元の方たちが設置したテントでは甘酒をはじめ、軽食を食べることもできます。参道には小さなお堂が雪で作られ、ろうそくの明かりがやさしく照らしています。

 堀回地域の雪まつりは、かつて別の日に行われていましたが、現在は一緒の日に行われています。もちろん、会場には花嫁と花婿が立ち寄り、お堂へとお参りを行います。
子どもたちも花嫁に花束を渡し、地域を挙げての祝福が行われます。

 夕闇迫るころ、花嫁道中一行は七曲峠に差し掛かります。キャンドルロードの灯りは、七曲峠の曲がりくねった沿道4kmにわたって灯され、写真撮影の絶好のポイントとなります。

 特に、カメラマンたちがひしめくのが峠の頂上付近のビッグキャンドル(ここが地球の真中ですの標柱)で、すぐ側では「峠の茶屋」と呼ばれるこの日限定の茶屋が開かれます。ここに、花嫁を迎える花婿側の一団が、到着を今か今かと待ちわびます。

 馬の鼻息も荒く、嫁の乗った馬そりが到着すると、一斉にシャッター音が響きます。そんな中、「花嫁道中」は最高潮を迎えます。
峠のほぼ頂上付近のここで、巨大なキャンドルを模した塔に花嫁と花婿が点火し、そこで道中一行の記念撮影が行われます。

 この後、新郎新婦は結婚式・良縁祈願祭が行われる「旧長谷山邸」を目ざします。

※会場は大変冷えますので、あたたかくしてお越しください。
 

平成22(2010)年8月掲載

こちらの記事もおすすめです

朴(ほお)の葉まま

 みどり鮮やかな朴(ほお)の葉を開くと、黄金色のきな粉をまぶしたご飯が姿を表します。 朴の葉で包んだ「まんま(ごはん)」が名の由来のこの郷土料理は、5月下旬から6月にかけて田植えの時期に食されてきました。皐月(5月...

郷土料理

元城(もとき)門松かまくら展

   羽後町の堀回地域で行われている「元城(もとき)門松かまくら展」は、地域の小正月行事をテーマにしたお祭りです。地域で伝わるさまざまな小正月行事やかまくら遊びなどを再現することにより、伝統を子どもたちの世代へと伝えるこ...

伝統行事・イベント

御嶽神社と石馬っ子

 羽後町の七曲峠の登り口に向かって左側、川沿いの小道に入ると、木立に囲まれた御嶽(みたけ)神社が見えてきます。最初に見えてくるのが、小さな建物と山門。山門には、二体の馬の石像が安置されています。 色とりどりの布...

歴史

史跡