堀回地区コミュニティ推進委員会は昭和49(1974)年、羽後町堀回地域の12の集落で発足しました。秋田県のモデルコミュニティ地区に指定されたことからその活動をスタートし、地域のまとめ役としての役割を現在も果たしています。

 推進委員会の原動力は「ひと声かければ、みんながすぐ集まってくる」組織力。活動の骨組みを決めるたびに、住民アンケートや座談会を実施し、住民の声に耳を傾けてきました。

 地域に伝わる伝統芸能「元城(もとき)獅子舞」は昭和30年代に後継者不足で途絶えてしまいます。推進委員会はこれを復活させようと、全家庭に支援を求め、その資金をもとに保存会が復活を果たし、平成14(2002)年、羽後町第1号の無形民俗文化財に指定されました。その後も「元城門松かまくら展」、「元城盆踊り」を復活させています。

 さらに、全戸参加の西馬音内川クリーンアップや地域の名水・伊勢鉢清水の環境整備、在宅福祉活動、地域行事の催し、行政とのパイプ役なども堀回コミュニティの大きな役目。コミュニティ活動は、全て「みんなの力で住みよい地域づくり」が合い言葉です。

 豪雪地帯である堀回地域では、除雪の負担を少しでも軽くしようと昭和57(1982)年、流雪溝を設置しました。住民が所有する溜池の埋立が条件となり、住民の合意を得るためコミュニティ推進委員会は奔走しました。設置された流雪溝は冬の生活から住民のイライラを解消し、堀回の大きな誇りの象徴となっています。

 また、「じいちゃんばあちゃんのPTAを作りたい」というお年寄りたちの声がきっかけで子供安全委員会を作りました。青色回転灯を付けた住民ボランティアの車が通学路のパトロールを行っています。


 

 史跡や湧水、見どころ満載の堀回の風景には、堀回コミュニティの活動の歴史を垣間見ることができます。元西総合センターに設置された「2050年への手紙」の石碑の下にはふるさとへの想いを綴ったタイムカプセルが埋められています。次世代のための土台作りを決して怠らない堀回コミュニティの活動は、常に先を見据えて進められています。

  

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