-古の伝承が息づく-
堀回地域には、様々な病気の治癒に霊験があるとされるものがいくつもあります。
まずは元西小学校の川向こう、七曲峠の入り口にある小さなお堂に安置された「金剛童子線刻像(こんごうどうしせんこくぞう)」です。お堂の裏にある崖の石を持って帰り、その石で毎日イボをなでるとイボが取れると言われています。イボが取れた後は、西馬音内川の河原の石を加えて、なでた石と共にお堂に返すのだそうです。
石馬っこは、その下をくぐると麻疹にかからない、と言われますが、その奥にある不動の滝にも言い伝えがあります。不動尊が祀られた滝の水で目を洗えば「はやり目」が直るとされています。
そしてこの二つに共通した伝説が残っています。
元西コミュニティセンターに飾られた「おらほの村のむがしっこ」によると、昔、御嶽山には修験者が住み、日照りの続く村に雨を降らせました。このうわさを聞きつけた長者が相談に訪れます。実は、長者の娘が顔にできた大きなイボと右目が見えないことに悩んでいたのです。
修験者は、自分はまだ修行中の身だからと、一度は断りますが、その後、金剛童子像の石でイボをなで、不動の滝で目を洗えば良いと教えます。娘はその言葉を信じ、石でイボをなで、滝の水で目を洗ったところ、七日目に目が見え、イボがすっかり消えていたのです。長者は返礼のため修験者を方々に探し歩きましたが、すでに姿はありませんでした。その一週間前に、馬のいななきと蹄の音が山で聞こえたといいます。人々は、馬頭観音さまが山に帰ったものと信じ、それ以来お参りする者が絶えなかったと伝えられます。
堀回は数々の伝説の舞台として、今も人々の篤い信仰を集める「神仏宿る地」といえます。
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