湯沢市若畑地域の「若畑(わかはた)」という地名は、現在の山形県を支配していた戦国大名・最上一族による稲庭城攻略の際、ここに陣を置き、旗を立てたものの、時期が早いため「若旗」といったのが起源と言う伝承があります。
また、ワカハタというのはアイヌ語で「水を汲む」という意味から変化したとも考えられ、付近に多くの湖沼が点在することから、そちらではないかという説もあります。
集落の起源は、小野寺氏の落ち武者が開いたとも、最上の落ち武者が開いたとも言われています。住民に伝えられたエピソードや墓石の様子からすると、400年ほど前(戦国時代~江戸時代初期)から、この場所に集落があったと考えられます。
江戸時代の紀行家・菅江真澄の著作「高松日記」には、「若畑を通り、桜坂を下って板戸にたどり着いた」と記述があることから、江戸期にはすでに集落があったと考えられます。
かつて、若畑では村の家を八軒より増やしてはいけないという掟がありましたが、明治ごろには十八軒まで増え、奥宮小学校の分校も設置されました。
平成23(2011)年4月掲載
■参考資料
『皆瀬村史』
『湯沢・雄勝の地名』斎藤実徳 斎藤実則 仙道良次
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