湯沢市若畑地域の「若畑(わかはた)」という地名は、現在の山形県を支配していた戦国大名・最上一族による稲庭城攻略の際、ここに陣を置き、旗を立てたものの、時期が早いため「若旗」といったのが起源と言う伝承があります。
また、ワカハタというのはアイヌ語で「水を汲む」という意味から変化したとも考えられ、付近に多くの湖沼が点在することから、そちらではないかという説もあります。
集落の起源は、小野寺氏の落ち武者が開いたとも、最上の落ち武者が開いたとも言われています。住民に伝えられたエピソードや墓石の様子からすると、400年ほど前(戦国時代~江戸時代初期)から、この場所に集落があったと考えられます。
江戸時代の紀行家・菅江真澄の著作「高松日記」には、「若畑を通り、桜坂を下って板戸にたどり着いた」と記述があることから、江戸期にはすでに集落があったと考えられます。
かつて、若畑では村の家を八軒より増やしてはいけないという掟がありましたが、明治ごろには十八軒まで増え、奥宮小学校の分校も設置されました。
平成23(2011)年4月掲載
■参考資料
『皆瀬村史』
『湯沢・雄勝の地名』斎藤実徳 斎藤実則 仙道良次
こちらの記事もおすすめです
奥宮山
-修験と信仰が残る山- 湯沢市若畑地域の西側に、広葉樹の生い茂る山が見えます。若畑だけでなく、周辺の集落から今も信仰を集める「奥宮山(おくみやさん)」です。標高762mと比較的低い山ですが、登山客には登りごたえの...
自然・施設
ビューポイント
ビューポイント「桜坂」
標高420メートルから見える皆瀬の風景 江戸時代の紀行家・菅江真澄は地誌「雪の出羽路雄勝郡」に、「若畑村を下り、桜坂を越えて板戸村の三浦氏の家についた」と記述しています。 この「桜坂」は湯沢市の若畑地域へ向かう途...
自然・施設
ビューポイント
漬物(チョロギ、いぶり大根)
若畑地域では正月料理によく使われるシソ科の多年草の植物・小さな巻き貝のような型をした「チョロギ」や、横手市山内のようにいぶり大根の漬物を作っている家庭も見られます。 各家庭で作られる漬物のバリエーションは豊...
食
漬物