横手市金沢(かねざわ)地域の金澤八幡宮前に、日本一の青銅製の馬像と言われる「御神馬(ごしんめ)」が鎮座しています。高さ2.5m、頭から尾までの長さ3m、重さ500kgの馬像は、昭和11(1936)年4月に兵庫県の騎手、元石吉太郎(もといしきちたろう)氏が寄進したと伝えられています。元石氏は大正初期、住み込み騎手兼別当として金沢地域の福田家で働いた人物で、その後兵庫県に転居しましたが、福田家の競走馬に騎乗し、数々の優勝を果たし功績を残しています。
馬像は貨車1両を貸し切り、大阪から横手駅へ輸送し、参道入口までは馬車で運びました。そこから参道に丸太を並べ、手作りの木ぞりに馬像を乗せて、住民総出で境内に引き上げたと言います。
日本各地の馬像では、騎乗する武士に重点が置かれていますが、金沢地域の「御神馬」は、筋肉の繊細な点まで描写されており、今でも駆け出しそうな勇壮な迫力ある姿と勅宣(ちょくせん)の鋳物師による制作も相まってその価値が高く評価されています。
令和2(2020)年 7月掲載
■参考文献
『未来へつながる 金沢探訪』
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