白岩ささらは、仙北市白岩(しらいわ)地域に400年伝わる郷土芸能で、秋田県の無形民俗文化財に指定されています。お盆期間に白岩神明社や雲厳寺などで奉納され、3頭の獅子とザッザカと呼ばれる道化役がリズミカルな舞を披露します。
「母さんのお腹にいる時から、俺たちは太鼓と笛のリズムを聞いてきたからね」。そう語るのはささら経験者の佐々木清美さん。演じる人間は35歳までという掟があり、演じ手は若者たちに譲りましたが「昔のささらは、足を見るだけで誰が踊っているか分かったよ」と話します。
笛の名手と言われる鎌田一志さんは、ささらの音を楽譜に書き起こして練習しました。舞も笛も全て口伝で伝えられてきたので「上手になる方法を必死で考えて、楽譜に起こして練習したんですよ。テープを朝晩聞いて覚えましたね」と話します。
白岩ささらの活動が落ち込んだ時期もありましたが、大阪御堂筋パレードに呼ばれて公演を行った経験もある「上」の世代たちが「下」の世代にその魅力を引き継いできました。
現在の白岩ささらは地元の青年で組織する「白岩若者会」が行っています。平成21(2009)年には東京の三鷹の森美術館で公演も行いました。「小さいときから当たり前のようにやってきたからささらを演じるのは楽しい」とメンバーは話します。上の世代が大阪御堂筋で思い出を残したように、彼らも、白岩ささらの歴史に新たなページを刻みつつあります。
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