にかほ市・冬師集落の南側には、約260ヘクタールにおよぶ「冬師湿原」が広がっています。

雪解けのころ、スプリングエフェラルメを代表するミズバショウが一斉に開花する「冬師湿原」は、数多くのカメラマンを魅了しています。点在する池沼の水面に“さかさ富士”ならぬ“さかさ鳥海”が映り込む風景は、見る人の心を強く惹きつけます。

冬師湿原一帯には、湿地を好むハンノキの貴重な群落も見られます。
また、ハンノキの森の地中には、約2,600年前の鳥海山の大噴火によってなぎ倒された、巨大な杉の埋もれ木が眠っています。この埋もれ木は銘木として高値で取引されており、深い色合いと上品な風合いを持った木工品へと姿を変えます。
 
埋もれ木細工は、鳥海山の火山活動の影響で生まれたとされる「冬師湿原」の自然史を雄弁に物語っています。

平成23(2011)年4月掲載

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