下荒屋地域にある戸隠神社は現在の京都府から下荒屋地域へ移り住んだ武士、竹内勘七によって、応仁元年(1467年)に創建されました。
天手力男神(あめのたぢからおのかみ)をはじめとした4柱を祭神とする神社で、天手力男神は『古事記』で有名な、天照大神(あまてらすおおみかみ)の岩戸隠れの際、天照大神が岩戸から顔を覗かせたところを引きずり出した神様として伝わっています。
天手力男神は、腕力、筋力を象徴する神様で、ここ戸隠神社の祭典では奉納相撲が行われていたことがあります。
戸隠神社で行われている夏祭りは10年以上前(2016年現在)から青年会の主催で毎年8月頃に行われるようになりました。隣の上荒屋地域でも同じ日に行っているため、出店や余興などは毎年交互に行われています。
ヨーヨー釣りやかき氷、焼きそばなどの出店が神社の境内にずらりと並び、子供たちの楽しむ声が絶えないお祭りです。
また、境内にステージを設置してカラオケや腕相撲大会などの余興が行われます。子供たちによる腕相撲大会は、力の神様に見守られながら白熱した戦いが繰り広げられます。
そして、夏祭りの締めには盆踊りを行い、夏の夜空に賑やかな余韻を残します。
社殿内に奉納された『戸隠神社由緒』によると、明和元年(1764年)に六郷政勝公のご病気が治るようにと戸隠神社へ祈願したところ、その効果はてきめんで、六郷家代々の御祈願所に指定されたと記されています。
矢島藩の生駒家も、戸隠神社へ参拝に訪れていたようです。
その後、戸隠神社は文化元年(1804年)6月4日に起きた象潟大地震により一度全壊してしまいましたが、萬延元年(1860年)に再建されました。
戸隠神社には、秋田県最古といわれる、安永9年(1780年)の船絵馬が遺されています。
かつて、北前船の船乗りたちが航海の安全を祈って祈願した貴重な代物です。
■参考文献
『戸隠神社由緒』
『象潟町史』
2016年3月31日掲載
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