11月初旬頃、大館市立花地域の家々の軒先に長さ20㎝ほどの薄紫色の大根が干され始めます。
住民の皆さんが「かたでご」「かた大根」と呼ぶこの大根は、地元に昔から伝わってきた「地大根」で、普通の大根より硬く、短いのが特徴です。すりおろせば「からし大根」のような辛さを味わえるので、地元の人はわさび代わりに「かたでご」を使用しています。
イカ刺し、長芋、トンブリにかけたり、白魚や醤油を入れて食べたりするのが立花地域の昔からの「かたでご」の味わい方です。
また、「かたでご」は漬け物にすると美味しく、漬け方は家々で異なりますが、代表的なのは、米の糠を使う「こぬか漬け」と「醤油漬」です。干したスルメや昆布を刻んで南蛮漬け、または、数の子を入れて松前漬け風に漬ける家もあります。硬いので日持ちが効くため、「かたでご」は保存食としても重宝されてきました。地域に根付いてきたその「硬さ」は、地域の漬物の味のバリエーションを多彩にしています。
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