画像:小林多喜二出生地の石碑

 大館市川口地域の下川沿駅そばに、戦前のプロレタリア文学を代表する作家、小林多喜二の石碑があります。多喜二は、明治36(1903)年、旧下川沿村(現在の大館市下川沿)に生まれ、4歳の時に北海道の小樽市に移住しました。

 その後、小樽高等商業学校(現在の小樽商科大学)に進学し、在学時から作品を発表するようになりました。当時の労働状況を再現描写した「蟹工船」で一躍脚光を浴びますが、社会に悪影響を及ぼすと判断され、不敬罪として逮捕されました。釈放後も弾圧を受け再逮捕され、警察の拷問により昭和8(1933)年、29歳の若さで非業の死を遂げました。
 
 世が世であれば、このような結末を迎えることはなかったでしょう。現代では「蟹工船」をはじめ、多喜二は大きく評価されており、地域の誇れる存在といえます。
 
平成24(2012)年5月掲載
 
■参考文献
『現地説明看板』
『小林多喜二伝』倉田聡 論創社 

こちらの記事もおすすめです

ブラックベリージャム

 大館市の立花地域にある「田の中公園」には、田んぼのあぜ道にブラックベリー、ラベンダー、ハマナスなどの植物が植えられています。その中でもブラックベリーは真っ黒な実をつけ、酸味の強さと細かい種が多いのが特徴で、ジ...

買う

その他

直売所

かたでご(大館地大根)

 11月初旬頃、大館市立花地域の家々の軒先に長さ20㎝ほどの薄紫色の大根が干され始めます。  住民の皆さんが「かたでご」「かた大根」と呼ぶこの大根は、地元に昔から伝わってきた「地大根」で、普通の大根より硬く、短いの...

野菜・果物

立花神眀社 立花三大祭り

-稲作と共に歩む一年-   大館市立花地域の旧国道沿いに立花神眀社があります。立派な社殿は、明治時代にこの旧国道を天皇陛下がお通りになるということで造り変えられたのではないかと言われています。  社殿の中の額を見...

伝統行事・イベント

伝統行事