由利本荘市滝地域の滝温泉跡地の近くにある薬師神社の下には、民謡日本一になった佐々木常雄の石碑があります。
佐々木常雄は、9人兄弟の中で青春を過ごし、家業であった農業と副業で炭焼きをして生活する中、昭和28年(1953年)5月滝地域にようやく電気が開通します。そこから流れる音楽や娯楽によって世情がだんだん分かり始め、当時人気だったNHKコンクールに刺激され、民謡歌手を目指して研鑽を重ねます。
それからNHKのど自慢や民間放送主催の大会に出場し、県大会で数々の優勝や入賞を繰り返します。昭和33年(1958年)3月NHKしろうとのど自慢全国大会「民謡の部」において曲名「秋田船方節」で優勝、念願の「日本一」を獲得します。
その後は、NHK民謡専属講師を務め、昭和41年(1966年)には秋田市に秋田民舞団「五星会」を結成し、全国コンクールで優勝者5人を輩出させ普及活動にも余念がありません。昭和46年(1971年)、日本コロンビアレコードの専属歌手として活躍し、昭和58年(1983年)には(財)日本民謡会秋田県連合会委員長に就任します。民謡界の至宝、重鎮として歌手、奉仕、普及活動と幅広く活躍しています。
平成24(2012)年5月掲載
■参考文献『大内町史』
こちらの記事もおすすめです
荷縄(になわ)はずし
由利本荘市・滝地域で毎年秋に行われていた「荷縄(になわ)はずし」。収穫も終わり、作物を運んだ縄も肩からおろして、今年の苦労をみんなで労おうと行われているお祭りでした。 平成21年度、由利本荘市集落活性化プラン...
歴史
伝統行事・イベント
伝統行事
季節の行事
薬師神社
由利本荘市滝地域の滝温泉跡地から少し登った小高い丘に、薬師神社が鎮座しています。怪我に良く効くと言われる滝温泉ですが、この薬師神社には湯治客が怪我の治療を祈願しに訪れます。この神社の社殿に近づいてみると、壁一...
歴史
神社・寺
おつゆもち
滝地域の自慢の汁もの「おつゆもち」。お餅の食べ方として、ここではポピュラーです。復活した「荷縄はずし」では、つきたてのお餅を入れて振る舞われ、好評を博した料理です。 煮干しで取った出汁に、まいたけ、ごぼ...
食
郷土料理