由利本荘市・滝地域には、決まった名前はついていませんが立派な「滝」があります。その滝の周辺には秋になると紅葉の赤が映えてとても鮮やかです。また、滝の近くにある村には、地図にも掲載されていない集落内だけでの呼び名があり、滝の横にある村は「滝の脇」、滝の上流にある村は「滝の上」と呼ばれています。
林業で栄えた滝集落では、昔は山で伐採した丸太を川に流して運んでいたため、この滝にも丸太が流れていきました。その運搬作業は、槍状の「長とび」という道具を丸太に突き刺し、川を流れる丸太の横をずっと歩いていくという、大変な作業でした。その丸太を拾い上げたのは子吉川に架かる「本荘大橋」のあたりで、今の整備された道路で片道、徒歩およそ5時間かかる道を、丸太と一緒に歩いたそうです。
そんな時代の流れとともに、今日も滝集落の滝は流れ続けています。
平成24(2012)年5月掲載
こちらの記事もおすすめです
洞(ほら)参り
「洞参り」とは、6月中旬、由利本荘市の滝地域で行われる「西山観音」と呼ばれる山中の洞窟へと詣でて、豊作祈願・村内安全などを願うお祭りです。 と、書いてしまうと簡単そうですが問題はその道のりです。鬼倉林道が出来...
伝統行事・イベント
伝統行事
おつゆもち
滝地域の自慢の汁もの「おつゆもち」。お餅の食べ方として、ここではポピュラーです。復活した「荷縄はずし」では、つきたてのお餅を入れて振る舞われ、好評を博した料理です。 煮干しで取った出汁に、まいたけ、ごぼ...
食
郷土料理
日本一の民謡の石碑
由利本荘市滝地域の滝温泉跡地の近くにある薬師神社の下には、民謡日本一になった佐々木常雄の石碑があります。 佐々木常雄は、9人兄弟の中で青春を過ごし、家業であった農業と副業で炭焼きをして生活する中、昭和28年(19...
歴史
地域の偉人