由利本荘市滝地域の滝温泉跡地から少し登った小高い丘に、薬師神社が鎮座しています。怪我に良く効くと言われる滝温泉ですが、この薬師神社には湯治客が怪我の治療を祈願しに訪れます。この神社の社殿に近づいてみると、壁一面に書き込まれた文字にびっくりします。これらは、滝温泉がかつて暖房用に木炭を使っていた時に、湯治客が手頃な筆記用具として木炭を使って書き遺したものだそうです。
この薬師神社は、滝温泉とは切っても切れない関係です。伝説では紀州熊野と繋がっていると言われている滝温泉ですが、熊野の温泉にも「薬師寺」があるそうです。鳥居のそばには、滝温泉の開湯のいわれを書いた石碑もたち、この神社との関係を伺わせます。
また、怪我が治ったお礼にと、ギプスや松葉づえ、コルセットを神社の床下に納めていく人も多く、一度片付けられる前までは、沢山の器具が納められていました。
怪我の治療に、温泉とセットでご利益があるのでしょう。また、神社のすぐ下には「民謡日本一」の石碑が立ち、当地出身の民謡歌手「佐々木常雄」をたたえています。※マジック等での社殿への落書きはご遠慮ください。
平成24(2012)年5月掲載
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