画像:標高250mからの雲海

 由利本荘市三ツ方森(みつかたもり)集落は、江戸時代の三つの藩の境を監視するために開かれた集落です。そのため、見晴らしのよい山の上に集落があります。かつては監視のための眺望でしたが、今はその素晴らしい眺めが魅力となっています。

 中でもお勧めなのが標高約250mの場所にある集落会館からの眺め。
山焼きで草原になった手前から、山がいくつも折り重なって、やがて市街地となり日本海へと続く様子が見渡せます。仁賀保高原で風車がゆっくりと回る様子や、遠くに見える鳥海山などを一望できます。

 一方、山を挟んだ大台(おおだい)集落側も、起伏に富んだ地形の中にある棚田の風景が非常に美しい地域です。集落の上にある県道沿いからの景色は時折、旅人が車を停めて景色に見入ることもあるほど。こちらも山焼きされた田んぼやあぜ、斜面が、ここにしかない絶景を作りだしています。

 そして季節限定、時間限定で、見るのがとても難しいのですが、雲海に浮かぶ三ツ方森集落も絶景です。天気が良い早朝、地表に濃霧がかかると、集落と山々が霧の中から頭を出すことがあります。

 しばし下界のことを忘れるような、まさに「ここにしかない絶景」。早朝でありチャンスは少ないですが、それだけに価値のある光景が広がります。 

平成24(2012)年5月掲載

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