由利本荘市三ツ方森(みつかたもり)集落の会館から眺めることができる素晴らしい景色。昔、その眺めは「矢島」「亀田」「本荘」藩の境界を見守る為に利用されていました。
当時の本荘藩により「猪股與左衛門」が任命され、その役割のため「名字帯刀(みょうじたいとう)」を許されました(名字帯刀とは、名字を名のること、刀を腰に差すのを許されることを言います)。そして、「猪股与左衛門」は今の三ツ方森の地に住みながら任務を始めました。「三ツ方森」という地名は「三つの藩の境界」が由来だと言われ、当時の見張り台だった場所は標高311mの場所にあり、「三森(みつもり)」と呼ばれていました。
その後、任務を忠実に務めた「猪股與左衛門」の家は明治頃からどんどん繁栄し、4軒の分家を含めた5軒の集落となりました。また「猪股與左衛門」は「石沢八館」の一つ、上野部落にあった「上野館」の城主、「猪股金平」の一族とも伝えられています。「上野館」もまた、三方の様子をよく見渡すことができる土地にあったと見られます。
古くから続く歴史深い三ツ方森集落。山の上ということで、田んぼが作りづらいことや、すぐに大きくなり山を覆う草木など、人の生活上不便な場所に集落が誕生したのは、そのような江戸時代の歴史の背景があったからでした。
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