由利本荘市赤田地域の長谷寺(ちょうこくじ)を開山した「是山(ぜさん)和尚」。和尚は赤田地域だけでなく、広く由利本荘地域での信仰を集めています。
是山泰覚禅師こと是山和尚は、享保17年(1732)に赤田で生まれます。伝説によれば幼いころから数々の奇跡と業績を残しました。その活躍は空海上人をほうふつとさせるもので、地域の人たちの信仰を伺うことが出来ます。
二十二歳で母と死別し、出家すると名を「是山泰覚」としました。その後、廃寺寸前となっていた松ヶ崎光禅寺を再興し、亀田藩主とその奥方の篤い帰依を受けるようになります。
四十四歳になると、是山和尚は赤田へ戻り、赤田滝ノ沢に不動庵を建立し、安永4年(1775)に閑居(隠棲)しました。これにより是山和尚は「赤田の閑居さま」として地元の人々から崇敬の念を集めています。
天明の大飢饉のさなか、天明四年(1784年ごろ)、是山和尚は大仏の建立を発心します。地域の人々の厚い信仰も手伝い、ほとんど藩の手を借りることなく、大仏は完成します。
是山和尚は聖徳太子の生まれ変わりともいわれ、また、修験者のような山岳修行の話も伝わっています。このため、東光山をはじめとした赤田の山々「五峰山」の信仰の元となっています。
また、是山和尚が生まれた家は、今も赤田に残っていると言います。この地の信仰の様子をかいま見れる是山和尚については、東光館内にある「是山和尚資料館」で詳しく学ぶことができます。
■参考文献
『本荘市史 文化・民俗編』
『是山和尚一代記』
『是山泰覚禅師略伝』長谷寺内解説看板
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