画像:子吉川の鮎料理

 由利本荘市坂之下集落を横切る子吉川には、鮎を目当てに釣り人が多く訪れます。地元では、鮎がたくさん捕れるため、自宅の冷蔵庫で鮎を保存している家庭が多く、鮎を使った料理は昔から食べられているもの、最近創作されたものなど、様々なバリエーションがあります。

 鮎を冷凍保存する前に、とれたての鮎の腹を開いて中のワタを取り出しておき、使う時まで冷凍しておきます。使う時は炭火で炙ると、川臭さがなくなるそうです。取り出したワタは、塩辛のような感覚でお酒のおつまみとして食べられ、「鮎味噌」、または「うるか」と呼ばれ、お父さんたちに人気の料理です。

 鮎味噌の他にも、坂之下集落で作られている鮎料理は、鮎めし、鮎のすまし汁、鮎の一夜干しのから揚げなどなど、鮎尽くしの贅沢な食卓が目に浮かびます。

 鮎めしは、炭火で焼いた鮎を醤油で漬け、鮎5、6匹をご飯と一緒に炊き込み、一度鮎を取り出し、骨を抜いてご飯と一緒に混ぜ込んだシンプルな料理ですが、集落の方々のお気に入りの一品でもあります。

 鮎のすまし汁は、鮎をまるごと入れてダシを取り、豆腐やネギ、茄子の千切りと一緒に薄醤油で味付けをしたら完成です。鮎のすまし汁は、坂之下集落でずっと食べられてきた料理です。

 鮎の一夜干しのから揚げは、鮎を風通しのいい場所に一晩干し、トウガラシと醤油に浸したものに、小麦粉と片栗粉をつけて揚げたら出来あがりです。ピリ辛の味付けがたまりません。どの鮎料理も、炭火で焼くことによって臭みがなくなり、鮎の良いダシが出て、鮎を贅沢にまるごと満喫できる料理の数々となっています。
 
平成24(2012)年5月掲載

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