石崎遺跡は、西野地域のすぐ西側に広がる広大な遺跡です。現在は、五城目町指定の史跡として石崎地域の田んぼの真ん中に標柱があり、水路の壁面に出た遺跡の一部を見ることが出来ます。
昭和42年(1967年)から昭和48年(1973年)にかけて、五城目町教育委員会によって3回の発掘調査が行われました。
遺跡は一辺約446mの四角形をしており、周囲を木の柵で囲われていたと考えられています。発掘調査では、柵の他にも3本の丸柱を中心とする「のろし」を上げる櫓(やぐら)と推定される建物も見つかっています。その遺跡の形状は、古代秋田の城柵「秋田城」「払田柵」を思わせます。
五城目町教育委員会『石崎遺跡発掘調査既報』によると、遺跡の年代は奈良時代後半にまでさかのぼり、平安時代後半まで存続していました。奈良・京都を中心とする朝廷の出先機関と考えられ、出羽北部の秋田方面で重要な軍事的・政治的役割を果たした施設と記されています。
石崎遺跡がまだ実在していた当時、朝廷とは別の独自のコミュニティをもっていた蝦夷(えみし)と呼ばれた北方の民族と、朝廷が接する最北の城柵という性格をもっています。
これからの調査によっては古代史の重要な発見があるかも知れない、そんなロマンを秘めた遺跡です。
平成26(2014)年5月掲載
■参考文献
『五城目町史』
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