画像:森林鉄道の歴史

 五城目町杉沢地域は、江戸時代から秋田スギや木炭の一大生産地でした。昭和11(1936)年に秋田市仁別と五城目町の北ノ又を結ぶ森林鉄道がつながり、昭和16年には森林軌道北ノ又・杉沢線が開通。昭和46(1971)年に森林鉄道が廃止されるまで、「杉沢に娘を嫁がせると親が喜ぶ」いうエピソードも残るほど林業で村は大いに賑わったと言います。

杉沢地域の北ノ又集落の奥にある馬場目川上流の「デロ杉流域」には、木材切り出し用に設置された森林軌道跡や、秋田市仁別と結んだトンネルが今も残っています。
住民有志でつくる「清流の会」メンバーの石川勝巳さんはトロッコ運転者でした。「デロ杉流域のネコバリ岩のあたりから杉沢集落まで、機関車でよく木材積んで運んできたもんだよ」と話します。トロッコは木材の運搬だけでなく、生活用品なども運んでおり、地域の生活に溶け込んでいました。杉沢に嫁ぐ女性がトロッコに乗って集落へ入ってきたこともあるそうです。

 デロ杉流域は、現在、住民の皆さんにより自然散策路として整備されています。観光客に人気の「ネコバリ岩」の新緑や紅葉を楽しみながら、杉沢の木材の歴史に触れて見てはいかがでしょうか?
 
平成22(2010)年4月掲載

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