小坂町鴇(ときと)地域の東の山中に、鉱山で栄えた「鴇鉱山精錬所・選鉱場」の跡地があります。
鴇鉱山開発は江戸時代までさかのぼります。延宝6(1678)年に発見された鴇鉱山は、当時の紀行家、菅江真澄も「十曲湖(とわだのうみ)」に「ときとおやまの赤銅(あかがね)」として記しており、盛衰を繰り返しながら明治を迎えます。
明治35(1902)年、山県勇三郎が鉱山を取り仕切るころが最盛期でした。その後、小坂鉱山を経営する藤田組が経営を引き継ぐものの鉱況不良となり、大正10(1921)年、選鉱場が火災になったことをきっかけとなり、一気に衰退します。
現在、鉱山跡に残るのは、二本建設されたレンガ造りの煙突のうち、倒壊を免れた一本と、からみ山(鉱滓)だけですが、平成14(2002)年、小坂町指定の史跡に指定されました。入口にある案内看板には、操業当時の写真や鉱山についての説明があり、かつての繁栄を偲ぶことができます。
■参考文献
『現地説明看板』小坂町教育委員会
こちらの記事もおすすめです
鴇の歴史
小坂町鴇(ときと)地域の歴史に関する最も古い記録は、集落にある駒形神社です。永禄年中(1558~1569)鴇(勝善平)に駒形神社建立とあり、岩手県史五巻にある「南部藩銅産統計表」によると、延宝六(1678)年に鴇の記録が現れ...
歴史
地域の歴史
十和田山青龍大権現碑
小坂町鴇(ときと)地域の入口にあるバス停の傍らに、十和田山青龍大権現碑(とわださんせいりゅうだいごんげんひ)という白い石碑が立っています。 かつては道路のすぐ近くにあったのですが、現在は道路拡幅で、少々見え...
歴史
史跡
道の駅こさか七滝・ハートランドマーケット
平成22(2010)年7月、「道の駅こさか七滝」が誕生しました。以前から営業している滝の茶屋「孫左衛門」を中心とし、大型トイレや休憩施設を加えて道の駅としてのオープンです。 日本の滝百選に選ばれた「七滝」を間近に見...
買う
直売所