秋田県の能代山本地方では、法事などの場で「南蛮べっちょ」と呼ばれる精進料理がよく登場しました。南蛮(唐辛子)を使い、べっちょをかく(泣いてしまう)ほど辛いことから名付けられたと言われ、八峰町石川地域でもよく食べられた料理です。
南蛮べっちょに欠かせないのが「つぶ油」と呼ばれるエゴマの実です。エゴマはシソ科の植物で、ゴマ油が日本に伝わる以前の食用油はエゴマで作ったといわれます。現在も、八峰町の旧峰浜村一帯で栽培され、南蛮べっちょの味の決め手となります。
「つぶ油(=エゴマの実)」は、ゴマのような風味と、香ばしい香りが特徴です。その「つぶ油」を炒り、味噌、砂糖、南蛮、酒などを加えてすり鉢ですった「つぶ味噌」に菊、キャベツ、キノコ類、水で塩出しした漬物(たくあんやきゅうり)などを和えると南蛮べっちょの出来上がりです。
エゴマと味噌の香りが立ち、さらに甘さの中の南蛮のピリッとした辛さが、こくのある味わいを生みます。漬物のコリコリとした食感もクセになりそうです。
地域によって材料や作り方が異なり、さまざまなバリエーションがありますが、お酒にもよく合う南蛮べっちょ、八峰町のお店や道の駅などでお見かけの際は、ぜひご購入ください。
こちらの記事もおすすめです
石川駒踊りと奴踊り
八峰町石川地域に伝わる石川駒踊りと奴踊りは、町の無形民俗文化財に指定されています。江戸時代初期の慶長7(1602)年、佐竹義宣が常陸(現在の茨城県)から出羽(現在の秋田県)の国へ領地の国替えとなり、出羽の国へ入るま...
伝統行事・イベント
郷土芸能
高峰山(たかぼうやま)
高峰山は、八峰町の石川地域の奥に鎮座する山です。標高は368m、石川地域はもちろん、天候に恵まれれば日本海や男鹿の寒風山、本山なども眺望できるスポットです。 頂上付近は小さな駐車場と公園が整備されており、写真解...
自然・施設
ビューポイント
竹原神社
八峰町石川地域の中心部から、県道63号線で南東に向かい、ひとつ谷を挟んで隣の丘陵地に入ると、広大な畑が広がっています。竹原神社は、その奥、静かな木立の中に佇んでいます。 天保元年(1829年)創建の竹原神社は、昭...
歴史
神社・寺