画像:竹原神社

 八峰町石川地域の中心部から、県道63号線で南東に向かい、ひとつ谷を挟んで隣の丘陵地に入ると、広大な畑が広がっています。竹原神社は、その奥、静かな木立の中に佇んでいます。

 天保元年(1829年)創建の竹原神社は、昭和8(1933)年に建て替えられ、現在の社殿になりました。この神社、一見してわかるのは社殿の四方に壁が無いこと、普通の神社から四方の壁を無くした珍しい造りです。

 こうした形になったのには、やはり理由がありました。神社に祀られている馬頭観音は、牛や馬の神様です。各地から集まった馬主たちが馬を見せ合い、馬について語り合ったと言います。集まった馬がどこからでも見えるように壁が取り払われた構造となっています。

 かつては、旧暦7月19日にお祭りが行われましたが、近隣の村々では「石川の19日」で通用しました。出店も多く、たくさんの参拝者で賑わい、はるか五城目町からもお参りに訪れたそうです。

 この神社に奉納されていた踊りが、石川駒踊り、石川奴踊りでした。そのほかにも、奉納相撲、石川番楽など、様々な芸能が奉納されたと伝えられています。

 しかし、馬が農耕・輸送などから姿を消す中、神社もまた静けさに包まれていきます。しかし、伝統芸能は形を変えて残っていきました。昭和38年の地域を焼き尽くした石川大火後、わずか3年で伝統芸能が復活したとのこと。その熱意からも、地域のみなさんが、竹原神社をいかに大切にしてきたかを感じることができます。

平成23(2011)年4月掲載

こちらの記事もおすすめです

南蛮べっちょ

 秋田県の能代山本地方では、法事などの場で「南蛮べっちょ」と呼ばれる精進料理がよく登場しました。南蛮(唐辛子)を使い、べっちょをかく(泣いてしまう)ほど辛いことから名付けられたと言われ、八峰町石川地域でもよく食...

郷土料理

石川フェスティバル

 八峰町の石川地域で2年に一度、9月上旬に「石川フェスティバル」が開催されます。2011年には8回目を迎えました。 イベント当日は、夕方になると、会場の石川地区多目的集会施設前には屋台が並び、地域の人々による踊りや歌が...

伝統行事・イベント

地域活動

イベント

世代間交流

石川大火と天皇杯

 昭和38年におきた峰浜村(現・八峰町)石川地域の「大火」を、住民の皆さんは「サンパチ」と呼びます。  大火が起きたのは、昭和38年4月15日の午後2時のことでした。全焼138戸、半焼75戸、家屋や農機具などを合わせ、2億365...

歴史

地域の歴史