食紅を落としたように鮮やかな赤色をした漬物が目をみはります。普通の「白いカブ」を漬けたという漬物は、しそ漬けにしたわけでも、食紅を使ったわけでもありません。

 鮮やかな赤色の正体は「色カブ」という、赤いカブです。色カブと一緒に漬け込むことによって、まわりの食材に赤い色を付けることができ、長い時間一緒に漬けておくほど、より濃く鮮やかな色がつきます。

 素材そのものの味を変えずに着色でき、食品添加物を使わずに鮮やかな色を演出できる色カブは、大変重宝する作物です。

平成24(2012)年5月掲載

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