納豆汁は、鹿角市の甚兵エ川原(じんべえかわら)地域をはじめ、毛馬内(けまない)地域周辺でよく食べられています。

 しかし、その納豆汁の出汁や具材になるのはなんと「サメ」。サメの切り身をサイコロ大に切ってジャガイモ、大根、人参、そして金時豆を入れます。忘れてはいけないのが山菜。冬に旬を迎えるサメに合わせて、塩蔵したり缶詰にして保存しておいたものを使います。

 どろっとしていても「汁物」といった感じを受ける納豆汁ですが、ここ甚兵エ川原の納豆汁は、具だくさんの「おかず」になります。正月に合わせて食べられますが、なんといってもサメ!のインパクトには驚かされます。

 昔から、内陸部だった甚兵エ川原では、魚が手に入りにくく、唯一入手できたのが「サメ」でした。冬場の貴重なタンパク源だったサメの食文化を伝えるレシピの一つともいえます。

平成24(2012)年5月掲載

こちらの記事もおすすめです

稲荷神社と大日神社

 鹿角市甚兵エ川原(じんべえかわら)には、稲荷神社、大日(だいにち)神社、二つの神社があります。どちらもお祭りも、4月と9月の8日~9日に掛けて行われます。  稲荷神社は集落全体の、大日神社は集落の「下(しも)」の神社...

歴史

神社・寺

いとこ煮

 「いとこ煮」は、小豆などを煮た煮物料理のことで、北陸や山口県の萩市でも有名ですが、鹿角の伝統料理でもあり、ここ鹿角市甚兵エ川原(じんべえかわら)地域でもよく食べられています。  冬至に食べるとその年の冬は風邪をひ...

郷土料理

馬子平(まごだい)

 鹿角市甚兵エ川原(じんべえかわら)地域にある「鹿倉崎(かくらさき)グラウンド」を見下ろすようにそびえる山「馬子平(まごだい)」は、その昔、農耕馬の放牧場として利用され、その後、放牧場を開墾して作った畑にビート(砂糖...

歴史

地域の歴史