画像:岩川地鶏のニワダマ鍋

  ニワダマ鍋は、三種町上岩川地域の特産「岩川地鶏」からダシをふんだんにとった「だまこ鍋」です。
だまこ鍋は、ご飯をすり鉢ですりつぶし、お手玉のように丸めた「だまこ」が入った鍋料理のこと。味や具はきりたんぽ鍋に似ていますが、きりたんぽより手軽な秋田県の郷土料理です。 

 メインの食材となる岩川地鶏は、上岩川地域の自家製野菜をふんだんに食べて育ったニワトリです。自然の中を走り回り、ストレスなく育つので、肉質にもちもちのやわらかさが生まれます。ほどよく脂がのった、煮込むほどコクが出る上質な鶏肉です。
 
 スープの味付けは醤油ベースの岩川地鶏ダシに、隠し味として少量の味噌を加えます。しいたけや、ごぼう、せりなどの野菜のうまみも加わった、スープの染み込んだ「だまこ」は絶品です。箸が止まらぬ美味しさとはこのことでしょう。
 
 昔から「だまこ鍋」作りは、上岩川では夫婦で分担していました。「だまこ」を潰す作業は力仕事なので旦那さんが、それを奥さんが夫婦の好みの味付けで調理したと言います。二人で作った鍋を仲良く食べるというのはほほえましい光景ですね。
 
 ニワダマ鍋は季節を問わず食べられていました。特にお盆、正月など、親戚が集まる際には欠かせないもので、子供たちは、それを楽しみに帰省してくるというわけです。昔はどの家庭で岩川地鶏を飼育しており、いつ大人数の来客があってもニワダマ鍋でおもてなしできたといいます。
 ニワダマ鍋は、食卓への登場回数が多い、上岩川のふるさとの味なのです。

平成22(2010)年4月掲載 

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