鹿角市甚兵エ川原(じんべえかわら)地域にある「鹿倉崎(かくらさき)グラウンド」を見下ろすようにそびえる山「馬子平(まごだい)」は、その昔、農耕馬の放牧場として利用され、その後、放牧場を開墾して作った畑にビート(砂糖大根)が植えられていました。ビートは、砂糖を取ることができる作物で、当時は農協へ売られていました。
当時はビートしか植えていませんでしたが、ビートを植えたことによって畑の土質が良くなり、他の野菜も植えられるようになったと言います。
馬子平には、4~5年前(平成24年現在)まで生活用水として使われていた湧水があります。その湧水は、地域の方々に「馬子平の井戸」と呼ばれ、親しまれてきました。
現在は、上水道が通り、馬子平まで登らなければ飲むことができませんが、住民の方が「あの湧水は美味しかった」と話すように、当時は水を汲みにくる人も多く、地域外から喫茶店や食堂の人も汲みに来るほどでした。また、農耕馬が放牧されていた当時、この井戸の水が馬ののどを潤しました。
現在、畑や放牧は行っていませんが、馬子平はかつての地域の生活を支えた、かけがえのない地域のシンボルでもあります。
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