慶長9年(1604年)、江戸幕府は江戸日本橋を起点に「五街道」と呼ぶ5つの陸上交通路を東海、北陸、東山に整備し、「一里塚」と呼ばれる道標の「塚」を一里(約4km)ごとに築きました。鶴形地域には、青森~秋田~山形を通り、福島の「奥州街道」と合流して江戸に通じる「羽州街道」が通っており、当時の羽州街道の名残ともいえる「鴨巣一里塚」が今も残されています。
鴨巣一里塚は、鶴形地域の中心部から南西の「上ノ山」山中にあります。能代市街地から大館市方面へ国道7号を進むと、国道左側に「上ノ山」が見え、「鴨巣一里塚」と書かれた看板が道路沿いに設置されています。この山中を通る1本道を進むと左側に「交通神社」の赤い鳥居が見え、さらに進むと、道路両脇に土が盛り上げられ、数本ずつ松が植えられた2つの塚「鴨巣一里塚」を見ることができます。
秋田県内の羽州街道の一里塚は、道路の改修などによりほとんど消滅してしまいましたが、「鴨巣一里塚」は道路の両側に当時の原型をとどめている貴重な塚で、県指定史跡にも指定されています。
平成26(2014)年5月掲載
■参考文献
『わたしたちの鶴形』(編集:鶴形小中学校教育研究グループ)
『現地説明看板』(設置:能代市教育委員会)
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