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歴史を知る

根子番楽

画像:根子番楽

 -隠れ里に伝わる勇壮な武士舞-

 夜7時、静まり返った根子集落から聞こえてくる勇壮なお囃子の音。
毎週水曜日、根子児童館では国の重要無形民俗文化財に指定されている『根子番楽』の練習が、番楽保存会によって行われています。

根子番楽の練習風景 源平の争いを題材にした勇壮な演目が多い
 
 毎年8月14日に根子で公開されるこの番楽は、民俗学者・折口信夫が「非常に優れた歌詩と内容」と紹介したことにより知名度が上昇。地元以外でもNHKホール、冬季札幌オリンピック、日比谷公会堂、様々な場所で上演されてきました。
 源氏の遺臣、または平家の落人が伝えたと言われる根子番楽。『根子番楽の流れをくむ』とされる番楽は秋田県内各地に多く、さまざまな芸能に影響を与えた秋田を代表する番楽のひとつです。
 
 「根子では、番楽を絶やせないという、みんなの思いが強いんです」と語る番楽保存会・会長の佐藤松夫さん。一時、中断した番楽ですが、地元の若者や保存会によって復活、現在まで継続してきました。独自の文化を作り上げてきた根子集落の中で、地域の人々をひとつにまとめあげる魅力とパワーをこの番楽は兼ねそろえています。

根子番楽保存会の佐藤松男会長
 
 近隣の集落の子供たちの協力も得て、保存に取り組む番楽保存会。『翁舞』を担当する佐藤敏文さんは、子供時代、番楽の花形『鞍馬』で牛若役を務めました。その敏文さんのお子さんも、もちろん番楽経験者。「部活で忙しい夏休みに、お盆の番楽の方を気にしているんですよ。子供たちが興味を持ってくれているのはいいことだと思います」
 
 2010年2月、秋田市で行われたブンカDEゲンキプロジェクト主催の「番楽・獅子舞の競演」で、根子番楽はトリを務め、拍手喝采を受けました。どんな場所で演じても「絵」になる根子番楽…しかしこの番楽が最も映えるステージは、根子独特のすり鉢状の景観。松夫さんは最後に観客に向けて、こうメッセージを残しました。
「根子でみなさんをお待ちしています」
 
                                 2010年4月掲載

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