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食を楽しむ

冬師の沼エビ

画像:冬師の沼エビ

 冬師集落の南には約260ヘクタールにおよぶ広大な冬師湿原があります。鳥海山の大噴火による山体崩壊で押し寄せた岩石が河川をせき止め、湿地帯や無数の湖沼が生まれたと考えられています。

 冬師・釜ヶ台地域では、こうした湖沼がもたらす恵みを上手に生活に取り入れています。

 紅葉の頃、集落のお母さんたちが胴長靴をはいて、沼へと入っていく姿が見られます。お母さんたちの目的はこのあたりでは「沼エビ」と呼ばれる、体長1cmほどの小さな淡水性のエビです。

 お母さんたちは、ザルを何度も何度も水中に入れては、小さな「沼エビ」を少しずつすくっては、バケツに集めます。冷たい水の中での作業となるため、大変貴重な食材といえます。

 苦労して採集したその沼エビ、サッと塩茹ですると透明感のある身が真っ赤にかわり、エビ独特の香ばしいかおりが漂います。それをあっさりとした大根おろしとからめると、冬師集落ならではの珍味の完成です。爽やかな大根おろしの風味の中、プチプチとはじけるエビの旨味は、冬師集落に伝わるご馳走のひとつです。

2011年4月掲載

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