画像:きゃの汁

 五城目町森山地域には、小正月に「きゃの汁」を食べる風習があります。「けの汁」「けのこ汁」「きゃのこ汁」とも呼ばれ、五城目町では昔からよく食べられている郷土料理です。

 料理に忙しい年末年始も終わり、小正月は女性たちがようやくひと息つける時です。大鍋に塩蔵していた山菜や根菜を細かく刻んで、ずんだや金時豆と一緒に煮込んで「きゃの汁」を作り、台所に何回も立たないよう、小正月中は、ずっと食べていたと言われています。

 森山地域では、1月2日に「とろろごはん」、1月6日は「ねぎみそ大根」を食べ、鏡開きに「きゃの汁」を食べる家もあり、七草の風習と同じく、正月で疲れた胃をいたわる料理とも言えます。

令和2(2020)年3月掲載

こちらの記事もおすすめです

野田郷倉(ごうくら)

 五城目町森山地域の野田集落の八幡神社には、備蓄倉に使われていた「郷倉(ごうぐら)」が残されています。昭和10(1935)年に建築されたもので、五城目町で現存しているのは、この郷倉のみと言われています。農業の歴史を物...

歴史

地域の歴史

板碑

 五城目町森山地域には2つの「板碑」が残っています。  板碑とは板状の供養塔のことですが、鎌倉時代に関東地方で石を使った板状の石塔が流行し、その後、石塔タイプの板碑が全国に広まりました。  森山地域の陽広寺にある...

歴史

史跡

野田集落のケヤキ

 五城目町森山地域の野田集落の八幡神社には、樹齢1000年を越えるケヤキがあります。  文化6(1809)年、紀行家の菅江真澄が「ひなの遊び」に、乳房槻(※ケヤキの古名)のスケッチを残しており、形のよい二つの乳房に見える...

自然・施設

花・樹木