画像:中石のナマハゲ行事

  12月31日、今年も大晦日がやってきたと、男鹿市の子供たちは心臓を跳ね上がらせながらその時を待ちます。
 
 大晦日、そして男鹿市と言えば、なんといっても「ナマハゲ行事」。毎年、中石地域でもナマハゲが行われます。
 行事は地域の若者や、帰省している出身者が担い、自治会の皆さんはサポートへ回ります。
 
 ナマハゲが行われる数日前に、ナマハゲが着る「ケラ」作りが行われますが、かつてナマハゲ役を担ってきた自治会の皆さんは強力な助っ人です。若者たちは、自治会の皆さんに教わりながらケラを編み上げます。
 ナマハゲのケラは地域によって違いがあります。中石のケラは「腰巻き」「タスキ状」と数枚に分けて編まれますが、他の地域では1枚を長く編み、巻き付けるように着るところもあります。
 
 大晦日、若者たちが扮する6匹のナマハゲが3組に分かれて中石地域の各家々に現れます。組は「赤鬼」「青鬼」そして「荷っこ背負い(にっこしょい)」と呼ばれるお役目の方の3人で構成されます。
 「荷っこ背負い」は、ナマハゲの付き人で、家に入って良いかどうかの確認をしたり、なまはげが動けなくなったときに交代したりするなど、重要な役です。
「荷っこ背負い」という呼び名は、昔、家に来てくれたナマハゲへのお礼にと餅を持たせた際に、付き人が大きな袋に餅を入れて背負って歩いたことから名付けられました。
 
 ナマハゲは、その恐ろしい姿から子供たちに恐れられていますが、各家々の「厄」をケラに付けて持っていってくれる神様の使いです。ケラから自然に取れた藁は、頭に巻き付けると「無病息災」や「頭が良くなる」という御利益があります。
 
 「悪い子いねが」「怠け者いねが」という言葉には、「親の言うことをきちんと聞きなさい」「初嫁は怠けないでしっかり働きなさい」という戒めの意味が含まれています。
 ご高齢の方が住む家に訪問したナマハゲは「まめでいだが(元気でいたか)、これからもまめでいろよ(元気でいろよ)」と労りの言葉をかけるなど、厳しさの中にも優しさが感じられます。
平成26(2014)年2月掲載
 
【関連リンク】産地直送ブログ
2018年中石地域のナマハゲ(2019年1月掲載)
 

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