小坂町鴇(ときと) 人口:63 人 世帯数:24 世帯

昭和63(1988)年から始まった鴇集落のぶどう栽培

古い歴史を誇る鴇鉱山。かつての繁栄を伝えるレンガづくりの煙突

十和田湖に向かう小坂側の玄関口にある「七滝」。

鴇に伝承されている大太鼓。小坂町を代表する伝統芸能。

地域のあらましと歴史

 小坂町の鴇(ときと)地域は町の東部、十和田湖に向かう通称樹海ラインにもほど近い上向台地に位置する集落です。
 鴇という名称は、かつて朱鷺(とき)が多く生息していたからという説もあり、付近には鳥越という地名も見られます。
 かつては荒川川の深い渓谷で小坂町の中心部と隔てられていた鴇地域ですが、平成15(2003)年に開通した長さ345m、高さ50mのアカシア大橋がアクセスを劇的に改善しました。
 集落のある上向台地のすぐ下には、江戸初期に発見された鴇鉱山跡があります。鴇鉱山は明治中頃に最盛期を迎え、鉱山住宅をはじめ学校、病院などが軒を並べていました。
 今日、その繁栄を伝えるのは、森のなかに佇むレンガ作りの煙突だけとなっています。
 静かな集落に戻った鴇地域ですが、新たな産業も根付いています。集落の周囲には、広々とした果樹園が広がり、ブドウ棚がきれいに整備されています。何事も研究熱心な鴇の人々が丹精込めて作るブドウは、その高品質で評判を呼び、ワインやジュースは小坂町を代表する特産品となっています。

※人口・世帯数は令和5(2023)年4月1日現在の小坂町のデータです。

アクセス

関連記事

鴇の歴史

 小坂町鴇(ときと)地域の歴史に関する最も古い記録は、集落にある駒形神社です。永禄年中(1558~1569)鴇(勝善平)に駒形神社建立とあり、岩手県史五巻にある「南部藩銅産統計表」によると、延宝六(1678)年に鴇の記録が現れ...

歴史

地域の歴史

鴇鉱山精錬所・選鉱場跡

 小坂町鴇(ときと)地域の東の山中に、鉱山で栄えた「鴇鉱山精錬所・選鉱場」の跡地があります。  鴇鉱山開発は江戸時代までさかのぼります。延宝6(1678)年に発見された鴇鉱山は、当時の紀行家、菅江真澄も「十曲湖(とわ...

歴史

史跡

十和田山青龍大権現碑

 小坂町鴇(ときと)地域の入口にあるバス停の傍らに、十和田山青龍大権現碑(とわださんせいりゅうだいごんげんひ)という白い石碑が立っています。  かつては道路のすぐ近くにあったのですが、現在は道路拡幅で、少々見え...

歴史

史跡

大根の山ブドウ漬け

 ブドウ栽培が盛んな小坂町鴇(ときと)地域で食べられてきた郷土料理が「大根のブドウ漬け」です。  この漬物はブドウの香りと、くせのない上品な味わいで、塩とブドウ果汁のみを使用しています。皮を向いた大根を縦に二つ...

漬物

鴇(ときと)産ぶどうのジュース、ジャム

 小坂町鴇地域の十和田湖樹海農園では、鴇産のブドウを使ったブドウジュースやジャムを作っています。ジュースはすっきりとした自然な甘さが特徴です。ワイン用の品種「山ブドウ」を絞ったの天然果汁100%、添加物ゼロです。 ...

買う

その他

直売所

鴇地域の活動

 小坂町鴇(ときと)自治会の活動の歴史でユニークなのが、近隣の鳥越集落とともに行っていた「漬物コンクール」です。  各家庭で漬物用の大根を干す風景は、鴇の冬の風物詩でした。アイディアを出し合い、さまざまな漬物が...

地域活動

地域団体

鴇大太鼓保存会

 伝統は若者たちの表現の場へ  盆踊りだけでなく、もっと太鼓を叩きたい。様々な人に聴いてもらいたい」。そうした想いと共に、小坂町鴇(ときと)地域の鴇大太鼓保存会は結成されました。  古くから地域に伝わる鴇大太鼓は...

伝統行事・イベント

地域活動

郷土芸能

伝統継承