
美しい棚田が広がっていますねえ。こちらは、男鹿市安全寺地域のなまはげ大橋から撮影した、男鹿三山(本山、真山、毛無山)に抱かれる棚田の風景です。この景観を守ってきたのは、ほかならない地域住民たちです!先祖代々、この景観が守られてきたこの地で、「男鹿半島・大潟ジオパーク ガイドの会」の皆さんが、この美しい光景の歴史と文化に触れようとイベントを開催しました!
イベント名は「棚田Pole Pole(ポレポレ)ウォーキング」!「Pole Pole」とはスワヒリ語で「ゆっくり」という意味です。今年度から行っている事業「ジオフレーバー」、地質に興味のある人へ地域の魅力を伝えるのではなく、地域の魅力を伝える中に、地質の話を加えさせてもらう(スパイスを加える)、という発想で開催されました。
9月27日(日曜日)、秋晴れのこの日、地域内外から11名の方が参加されましたよ。

集合場所は5年前、首都圏から移住されてきた柴田さんご夫妻のすみか「里山ほのぼの」です。夫妻は男鹿半島・大潟ジオパークの認定ガイドでもあります。
初めに、柴田さんからこの日の活動の趣旨について説明がありましたよ。ご主人のご実家が男鹿市ということもあり、首都圏で生活されている時から、よく男鹿には遊びにきていたそう。ここに移住してからは「安全寺という名前なのに、なぜ地域にはお寺がないのだろう?」という疑問から始まり、自分の住む地域のことをもっと知りたい、もっと知ってほしいという思いがこのイベントの開催につながったようです。

男鹿と言えば、まずは「なまはげ」!ここ安全寺でもナマハゲ行事は継承されてきた伝統行事になります。ただ、かつては男鹿市の他地域のナマハゲ行事と少し違う形式で行われていました。その説明をしてくれたのは、安全寺なまはげ保存会の会長、安田俊之さんと、会員の安田一彦さんです。
安全寺は御山(おやま・真山)のふもとに位置する地域。昔は「1月15日に御山から下りてきたナマハゲが、男鹿の各地域を回り、16日に御山へ戻る。」と言い伝えられてきました。そのため、御山に戻る途中に安全寺地域に寄るのではないかということで、1月16日に行われていました。しかし、少子高齢化などの影響で平日開催は難しくなり、1990年頃から祝日である15日の開催に変更。しかし15日が祝日でなくなっため、2000年頃から他地域と同様、12月31日の大みそかに開催するようになった経緯があるそうですよ。
参加者の皆さんは興味津々で、安田会長の話に聞き入っていました。
ナマハゲの後は、ジオパークガイドの会の丸山会長から安全寺地域を「ジオの視点で見る」というスパイスを入れてもらいましたよ。


「安全寺地域の棚田は、海岸段丘を川が削った小さな河岸段丘によりできたもの。」
そして棚田は昼夜の温度差が大きいこと、水源に近いこと、さらには天日乾燥にすることが多いことから、棚田で栽培されたお米はおいしくなるそうですよ。

柴田さんや丸山会長の話で、ますます安全寺の魅力に取りつかれた参加者の皆さん、いよいよウォーキングに出発です!


初めに太平山へ行き、ナマハゲ行事の際に使用されるケデ(ナマハゲ衣装)が木に巻き付けられているところを見学。大みそかの行事終了後、昔の集落の入口とここ太平山、そして地域の神社にケデを巻き付けるそうです。災いがムラに入ってこないようにと願掛けをするためです。そして、翌年の12月末の新たなケデ編みの際に、1年間の役目を終えたケデを外し、燃やすそうです。

続いて、安全寺公民館や元安全寺小学校音楽室に保管されているナマハゲの実際の面や、地域の歴史資料を拝見。
普段は見ることができない貴重なものを見て、参加者の方、それぞれが感嘆の声を上げていました。

その後、地域の歴史的背景を持つ、「十王堂」や
※「十王堂」については、こちらをご覧ください。(元気ムラサイト)

「日枝(ひえ)神社」を訪れました。
※「日枝(ひえ)神社」については、こちらをご覧ください。(元気ムラサイト)



やや蒸し暑くなってきた時間帯、時間も少し押していましたが、ウォーキングの最後は日枝神社からしばらく歩いて、地域の田んぼを見学。時間の都合で美しい棚田の見学とはいきませんでしたが、それでも参加者の皆さん、実りの秋を迎えた地域の田んぼを間近に感じ、ご満悦のようでした。
「新聞で見かけて応募した。ナマハゲの歴史など安全寺の地域の話を聞いて、文化の地層があるなと感じた。」「なまはげ大橋を通るたび、棚田を見ていてきれいで美しいと感じていた。その棚田の話が聞ける、見れると思い、迷わず、応募しました。」や「なまはげ大橋の上から集落は見ていたが、初めて安全寺を訪れた。説明を聞きながら集落を回れて、ナマハゲが通る道を歩けて良かった。」など、どなたの感想も印象に残るものでしたよ。

柴田家に戻り、参加者は、ソバ粉で作るピザ作りに挑戦!住民の方からレシピを聞いて、大人も子どもも真剣に生地づくり。おなかもすいてきた時間です。



生地が出来上がった方から、柴田さんのご主人が制作した本格的なピザ窯で、焼いてもらいましたよ。高温で焼き上げるのでピザはすぐに焼きあがります。焼きたてを見ているだけでおいしそうで、やや空腹気味の取材班には、たまらない香りが漂っていました。

ピザが焼きあがったら、アツアツのうちに皆さん、口にほおばっていましたよ。小さいお子さんも自分が作ったピザにご満悦!


そして、お腹がいっぱいになったところで、イベントの最後はクイズコーナー。安全寺地域に関する問題が3問、正解者にはプレゼントも!

参加者全員にも、住民が着物の帯をリメイクした「お守り」のお土産がありました。真山神社でご祈祷した貴重なお守りです。

約4時間弱のイベントでしたが、安全寺地域の魅力がギュッと詰まったイベントでした。住民の皆さんとの交流もあり、この日参加した皆さんは、きっと安全寺地域の大ファンになったのではないのでしょうか。
行事を継承していく大切さ、地域の景観を守る努力。その一つ一つが住民の手により行われています。
高齢化が進む地域でも、住民の皆さんの生き甲斐を感じてきた一日でした。
以上、男鹿市安全寺地域からお届けしました!
●おまけ


住民の手作りによる小物や、栽培した野菜等が販売されていましたよ。どれも大人気!
柴田家の玄関に置かれていたカエルの置物が、とても愛らしかったです。