
6月21日(日曜日)、加茂青砂地域の集会所で、男鹿半島・大潟ジオパークガイドの会主催の「出張ジオカフェ」が開催されました!
ジオパークの魅力を少しでも多くの方に知っていただこうと行われているジオカフェですが、同時に地元の人のジオパークに対する思いや考えも聞きたいというある趣旨もあるそうです。この日は、あいにく一日中雨が降っていました。内容を急きょ、変更して行われましたよ。
テーマは「ジオが伝える、人の支え合いと減災」。
開始時間の頃には雨が最も強く降り始め、参加予定だったご高齢の住民が急きょ不参加ということも。それでも他地域から参加される方も含め、このテーマに熱心な方々が集まり、ジオガイドの方の話に耳を傾けていました。
ガイド進行役は男鹿市安全寺地域にお住まいの柴田万里子さん、令和3年に東京都からご夫妻で移住されてきました。大好きな男鹿のことをたくさん知りたいと思うようになり、ジオガイドになられたそうです。
参加者自己紹介、会長挨拶の後は、県内ジオパークについての紹介があり、この男鹿半島・大潟ジオパークについて簡単にお話がありましたよ。
男鹿半島の地層について図を用いて説明があり、いつの時代にできた地層なのか色別に示されていて、一目瞭然でした。一番古いもので約7000万年前の入道岬の地層とか。上の写真の左上のところになります。当時はまだ大陸の一部だったそうです。
この後、天気が良ければ、「カンカネ洞」「合川南小学校児童地震津波殉難の碑」「和平の碑」などを散策する予定でした。が、今回はその分野に特に詳しいガイドの方から、スライドを用いて説明がありましたよ。


特に上の写真(過去に撮影したものです。)の「カンカネ洞」は、絶え間なく荒波が岩肌をたたきつける日本海の波の浸食によって形成された男鹿半島最大級の洞窟といわれています。加茂青砂地域の観光名所にもなっていて、住民の方からも活発な意見が出ていました!
(※「カンカネ洞」についてはこちらをご覧ください。)
昔は「子どもが近寄ってはいけない。」という迷信があったそうです。カンカネ洞の岩肌は、火山岩の一種である流紋岩でできていて、現在でも波の浸食により形が少しずつ変化しているそうです。流紋岩は崩れやすい性質のため、実際に洞窟に入るのは安全が保障されないという理由で、ジオガイドの方たちが現場でガイドするときは、洞窟内には入らないこととしているそうです。
しかしながら、天井や海側の穴から差し込む光と、美しい海水が織りなすコントラストはまさに自然が作った天然の劇場で、地質学的にも、観光的にも、とってもロマンがあるスポットです。観光シーズンの週末ともなると、多くの方が訪れているそうです。

そして「合川南小学校児童地震津波殉難の碑」についてもお話がありました。
日本海中部地震の際、加茂青砂の海岸で遠足に来ていた児童13名の尊い命が失われるという悲しい出来事がありました。その当時の旧北秋田郡合川町の町長、畠山義郎氏の手記が披露され、住民を「あらびと神(現人神)」と称えたそうです。当時、ほとんどの住民が漁師でした。彼らは人命救助のため、身の危険もかえりみず、津波が押し寄せてくる海に向かって船を4隻出し、必死に救助にあたったという話は心が打たれました。また、参加者の皆さんの真剣に聞き入る姿も印象的でした。
※当時、人命救助にあたった漁師さんの話をまとめた記事は「加茂青砂と日本海中部沖地震(元気ムラサイト)」からどうぞ。

加茂青砂地域には、「合川南小学校児童地震津波殉難の碑」があります。ここの草刈りや清掃を行ったり、お供え物をしたりして管理してきたのは地域の老人クラブの方々でした。(上の写真は3年前のもです。) 43年間、活動を休むことなく続けてきたその方たちも高齢となり、この春で役目を終えることになったそうです。その後は、次世代の住民の方々が引き継いでいくそうです。65歳以上の高齢化率が約77%(R8.4.1)の加茂青砂地域ですが、住民の気概を感じる一面でした。

会の最後はジオカフェクイズ!三つの問題が出され、それぞれの正解者には景品が用意されていました。地元住民にもやや難解な問題でしたが、この日一番の盛り上がりだったような気がします。正解者が多い場合はジャンケンで勝者を決めます。この時のみなさんは、童心に帰ったようでしたよ。
天気が良ければ、有事の際の避難経路も歩く予定でしたが、それはかなわず残念でした。
この日、参加された皆さんは改めて加茂青砂地域の魅力、特に住民の魅力を再確認できたのではないでしょうか。この地の豊かな自然は、住民の皆さんの心のより所なのだと実感した一日でもありました。
以上、男鹿市加茂青砂地域からお届けしました!
(おまけ)
男鹿半島の南に位置する「鵜ノ崎海岸」は、「日本の渚百選」にも選ばれていて、近年では「日本のウユニ塩湖」などとも呼ばれている観光スポットになっています。約1000年前の地層が地殻変動により持ち上げられ、現在の遠浅の海岸を形作っています。また、「小豆岩(あずきいわ)」と呼ばれる球体の岩石が点在していて、近年、この小豆岩の中にクジラの化石を内包しているものが発見され、貴重な資料となっているようです。(鵜ノ崎海岸の写真はジオガイドの柴田さんから提供いただいたものです。)