今年度、県では地域コミュニティの維持、活性化に向けて若者など多様な人材の視点を取り入れる取り組みを支援しています。
その一環として秋田県立大学の地域貢献プロジェクト「あきた地域学アドバンスト」講義との連携事業を行いました。この講義は「地域と大学が協働し、長期的な視野と幅広い教養を備え、秋田の地域課題を自分のものとして捉え考え、解決に乗り出すことができる人材を育てる」ことを目標に、毎年、様々な地域で実施されているものです。
今年度は、秋田市上新城地域(道川・中・小又町内会)をフィールドに現地調査を行い、調査で学んだことを踏まえて、学生が地域活性化策を提案しました。
現地調査の様子はこちらからご覧ください!
9月16日(火曜日)、秋田市農山村地域活性化センター「さとぴあ」にて、学生による「秋田市上新城地区の都市農村交流方策に関する成果発表会」が行われましたので、その様子をお届けします!
発表会当日は、地域住民や関係者が多数集まり、「学生の発表を楽しみにしていた。」と話す住民の方もいらっしゃいました。
はじめに、この講義の担当の重岡教授から、講義の趣旨と地域住民のご協力に対する感謝の言葉が述べられた後、学生による発表に移りました。
各チームによる地域活性化に向けた提案内容を、ご紹介します!
●道川チームによる提案
- どこからが道川なのか、一目で分かるようにシンボルゲートを設置し、道川の歴史を語るゆるキャラをつくる。
- 空き家を道の駅として活用し、油田の歴史にちなんだ「油田ラーメン」や「油田カレー」などの「黒料理」を提供する。
- 老朽化している道川神社の参道や本殿を整備して参拝しやすくすることで、地域の中心となる神社として再生させる。
●中チームによる提案
- 耕作放棄地を、サバイバルゲームや本格的な雪合戦の会場「NAKAエアフィールド」として活用する。
- 広大な土地を活かした野外シネマ、季節の花を咲かせるお花畑(ネモフィラ、ひまわりなど)、イルミネーションといった集客イベントを開催する。
- 秋田北インターのすぐ近くというアクセスの良さを生かしながら、既存の宿泊施設「門脇家」と連携して、一日中楽しめる滞在型レジャーを創出する。
●小又チームによる提案
- 空き家を改修して「小又なまはげの宿」として運営し、なまはげの衣装づくり体験や、宿泊客の部屋になまはげが登場するプランを提供し、文化継承と観光客増加を両立させる。
- 旧村長宅を活用して商業施設「小又の森」を設置し、小又を外出の目的地とする。
- 商業施設「小又の森」では、なまはげの藁編み体験、ジビエ料理の提供、獣の皮や牙を利用した工芸品作りなど、地域ならではの没入感のある体験を提供する。
学生による発表の後は、各町内会長など住民の方々から質問や感想をいただき、意見交換が行われました。
「こんなに斬新なアイディアが出るとは思わなかった。若い人の考え方を受け入れていきたい。」
「地域に来てくれるだけでうれしいことなのに、地域の活性化に向けてここまで考えてくれてありがたい。」など温かいコメントをいただきました!
最後に、上新城地区振興会の渡邉会長から、「上新城地域は、市街化調整区域でいろいろと制約がある地域であるが、今回学生からもらった提案を参考にして、今後の地域のことについてみんなで話し合っていきたい。」とのお話がありました。
この講義を通して学生は、上新城地域の自然や歴史、文化といった魅力を発見するとともに、「空き家」「耕作放棄地」といった地域課題を、観光資源として逆手に取るユニークな企画を提案しました。
この度の学生による提案が、上新城地域の活力を生み出す一つのきっかけとなることを期待しています!
●おまけ
発表会場である「さとぴあ」の窓からは、上新城の豊かな田園風景が一望できました!