湯沢市横堀地域の赤塚集落から寺沢集落に至る旧道には、奈良時代以降に整備された「官道」が通っていました。官道は当時の国が整備した主要道路で、『続日本記』には「天平宝字3年(759年)に横河(横堀)に駅家(うまや)を設置した」と記述されています。
駅家は公務にあたる人間が各地を移動する際に必要な馬や食事・宿泊などを提供する施設で、山形・宮城・秋田の3県をつなぐ中継基地として横堀地域が重要な場所だったことが伺えます。
当時を今に伝える「板碑」が今も横堀地域に残されています。板碑とは石塔タイプの供養塔のことで、熊野神社に「嘉暦元年(1326年)」、寺沢集落の民家敷地内に「嘉暦二年(1327年)」、赤塚神社に「暦応元年(1338年)」と、鎌倉時代から南北朝時代に掛けての年代が刻まれた板碑が残っています。
中でも寺沢集落の道路沿いにある「応永二十年(1413年)」の碑は、高さ2mを超えるもので、「応永」の文字が「寿」に似ていたことから人々が読み間違え「寿石」と呼ばれてきました。江戸時代の紀行家・菅江真澄の著書『雪の出羽路』にも、この俗称の言い伝えが記述されています。
平成29(2017)年3月掲載
『秋田県の歴史散歩』
『湯沢市ジオパークパンフレット小野・横堀』
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