画像:正月のユリ根の祝い料理

 横手市保呂羽(ほろわ)地域の金井神・上坂部(かないがみ・かみさかべ)集落では、毎年正月の朝に、黒豆、ユリ根、とろろ昆布などが入った御膳が、精進料理として食べられています。金井神では、ユリ根は別名「よろ」とも呼ばれ、黒豆の「まめ」とユリ根の「よろ」そして、とろろ昆布の「こんぶ」が入った御膳には、「まめでよろこ(ん)ぶ」という意味が込められています。

 ユリ根とは、その名の通り「ユリの花」の根っこで、その形からはにんにくが連想されます。ホクホクとした食感がジャガイモの中でもメークインに近く、ほのかな甘みがあります。他の地域では、味噌汁に入れたり、きんとんにしたりと、様々な料理に利用されています。
 
 また、金井神では1月7日の七草の日には、正月に供えていた鏡餅と春の七草、そしてユリ根を入れた雑煮が食べられています。金井神では、7日までを正月休みとし、7日にこの雑煮を食べ、8日に仕事始めをするという風習があります。
 その風習は古くから行われてきた「しきたり」のようなもので、ずっと受け継がれてきた集落の伝統と言えます。
平成24(2012)年5月掲載

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