冬、雪に閉ざされ、ほとんどの農作業が出来なくなります。そんな季節、黒沢のとある空き家を利用した作業所で、おばあちゃんたちが忙しそうに働き始めます。大曲仙北地域のスーパーに並ぶ季節物、「しめ飾り」と「彼岸花」を作っているのが「黒沢実行改善グループ」です。
11月下旬から正月飾りに欠かせない「しめ飾り」づくりが始まります。藁を結んだ上に、縁起もののユズリハやマツ、七福神などの飾りを取りつけます。
海外製の製品に押されている昨今ですが、グループのこだわりは「本物の緑」を使うこと。飾りの植物はすべて黒沢の山で採れた「本物」。プラスチック製にはない質感の良さがポイントです。
その後、1月末から2月ごろにかけて、今度は「彼岸花」の造花づくりが行われます。お墓に備えるものですが、腐らず処理も簡単、しかもリーズナブルなので良く売れるそうです。
花びらはほおの木を薄くカンナがけしたもの、茎は竹を使用しています。自宅で部品を作った後は、作業所での作業となります。花弁の染色から始り、組み立てて、茎に緑のテープを巻きつけながら葉を付け、出来上がった製品をビニールで包装していく……その手際の早さは見事なものです。
もともとは、冬場の小遣い稼ぎになればと、10年ほど前から始まった活動でした。先輩たちが地道に販路を広げていったことで、しめ飾りや彼岸花は、今では大きな小売店でも見ることができます。
冬になるたびに、おばあちゃんたちは小さな作業所で楽しく作業を続けます。
【関連リンク】産地直送ブログ
→美郷町黒沢地域の「彼岸花」作り(2021年3月掲載)
→美郷町黒沢地域の彼岸花づくりが最盛期♪(2019年3月掲載)
こちらの記事もおすすめです
ミズ料理
ミズ(ウワバミソウ)は、秋田県の食文化を語る上で外すことのできない人気の山菜です。この山菜の定番とも言える食べ方が「ミズのたたき」。さまざまな味付けや薬味に工夫を凝らし、たたき具合などにもこだわりが見える、無...
食
山菜・きのこ
黒沢開拓の歴史
-田沢疎水が開いた広大な田んぼ- 美郷町黒沢地域は、奥羽山脈の山々が迫る東側以外は周囲を広大な美田に囲まれています。そのほとんどは、戦前までは良くて畑、もしくは原野。集落の周囲には、松や雑木が生い茂る鬱蒼と...
歴史
地域の歴史
本堂城址(館ノ沢山城)
-本堂氏が住んだ堅城- 美郷町黒沢地域の少し南に、東西に細長い小山があります。山の一方の端はみずほの里ロード、もう一方は八幡神社があるこの山域こそ、戦国時代、仙北地域の一部を支配した本堂氏の居城「本堂城」で...
歴史
史跡