由利本荘市からにかほ市にかけては県内でも特に番楽・獅子舞芸能が数多く伝承されている地域ですが、由利地方には特に番楽を「獅子舞」と呼称して伝承されるものが多いことが特徴的です。
由利本荘市赤田地域の獅子舞もこうした番楽舞を含んだ芸能のひとつです。かつては17あった演目から、現在では復活したものも含めたいくつかの舞が、五穀豊穣・無病息災・悪魔祓いを祈願して披露されます。
赤田獅子舞の由来は、長谷寺を創建した名僧・是山泰覚和尚より伝えられたものといいます。是山和尚はこの赤田獅子舞の他にも数多くの芸能を各地に伝えましたが、中でもこの赤田獅子舞と最も関連の深いものとして柴野獅子舞があげられます。
是山和尚は赤田・柴野の両獅子頭を自ら彫刻しており、これらは兄弟獅子として、さまざまな祭礼で赤田獅子舞が奉納される際には、柴野獅子舞も必ず一緒に奉納されることになっています。赤田の「大般若」ではこれら両獅子舞が、また「赤田大仏まつり」には、これら以外にも是山和尚が伝えた他の芸能たちも一緒になって参加し、それぞれが異なる色をもって人々の目に映ります。
■参考文献
『本荘市史 文化・民俗編』
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