由利本荘市からにかほ市にかけては県内でも特に番楽・獅子舞芸能が数多く伝承されている地域ですが、由利地方には特に番楽を「獅子舞」と呼称して伝承されるものが多いことが特徴的です。

 由利本荘市赤田地域の獅子舞もこうした番楽舞を含んだ芸能のひとつです。かつては17あった演目から、現在では復活したものも含めたいくつかの舞が、五穀豊穣・無病息災・悪魔祓いを祈願して披露されます。

 赤田獅子舞の由来は、長谷寺を創建した名僧・是山泰覚和尚より伝えられたものといいます。是山和尚はこの赤田獅子舞の他にも数多くの芸能を各地に伝えましたが、中でもこの赤田獅子舞と最も関連の深いものとして柴野獅子舞があげられます。

 是山和尚は赤田・柴野の両獅子頭を自ら彫刻しており、これらは兄弟獅子として、さまざまな祭礼で赤田獅子舞が奉納される際には、柴野獅子舞も必ず一緒に奉納されることになっています。赤田の「大般若」ではこれら両獅子舞が、また「赤田大仏まつり」には、これら以外にも是山和尚が伝えた他の芸能たちも一緒になって参加し、それぞれが異なる色をもって人々の目に映ります。

平成23(2011)年4月掲載

■参考文献 
『本荘市史 文化・民俗編』

こちらの記事もおすすめです

東光館(とうこうかん)

 由利本荘市「赤田の大仏」がある長谷寺(ちょうこくじ)向いには、赤田地域の拠点施設「東光館」があります。 東光館は「五峰苑(ごほうえん)」と呼ばれる苑内に設置されており、五峰苑では、東光館の他、バラ園、菖蒲園、美術館...

自然・施設

体験施設

赤田大仏祭り

 秋田県の無形民俗文化財に指定されている「赤田大仏祭り」は、江戸時代、「赤田の閑居様」と地域の人々に慕われた是山(ぜさん)和尚が、長谷寺(ちょうこくじ)に、「赤田の大仏」と呼ばれる長谷十一面観音像を造ったのちに始...

伝統行事・イベント

伝統行事

赤田の大仏

   由利本荘市赤田地域にある長谷寺(ちょうこくじ)は、曹洞宗の寺院で、秋田県三十三観音霊場第8番札所です。この寺に安置されている高さ9m、木製金箔押しの十一面観音立像は通称「赤田の大仏」として親しまれています。また...

歴史

神社・寺