男鹿市の鮪川(しびかわ)と言えば「滝の頭」が有名ですが、寒風山の北側、なだらかな丘陵に沿って発達している鮪川地域では、寒風山の伏流水がいたる所で清水として姿を現しています。
その代表的が「イサバ清水」です。秋田弁独特の発音で「イサバ」とも「ユサバ」とも聞き取れる名前ですが、鮪川地域の集落中心部から滝の頭へと向かう広域農道に沿ったところにあります。
このイサバ清水は、鮪川の皆さんにとって、子どもの頃の格好の遊び場でした。ごろごろとした大きな岩が露出した部分は、ミニ「滝の頭」を思わせるものがあります。沢伝いに上流へ向かうルートは、子どもたちが作る“秘密基地銀座”だったそうです。
綺麗な水はもちろん生き物の宝庫。子どもたちは、日がな一日、魚やカエル、サンショウウオなどと夢中になって遊びました。周辺では小さな土器片なども見つかるなど、このあたりが古くから住みよい土地だったことが判ります。
イサバ清水が噴出する水量自体はささやかなものですが、水源は滝の頭と同じであると考えられています。清水が湛える水は、夏場でも手が切れるほど冷たく、透明感にあふれています。
※少しわかりにくい場所にありますので、訪れる際は、現地の方に場所を訊ねてください。
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