日本海の海岸沿いの高台に位置する八峰町の本館地域。その背後にそびえるのが、戦国時代、この地域を統治した武田重左衛門の城があった「本館城址」です。

 慶長10(1605)年、本館城は百姓一揆により落城し、城主の武田重左衛門は自害させられたと伝えられています。この一揆で犠牲になった人々を弔うため、毎年9月中旬、本館自治会によって400年以上にわたり、「たいまつ祭り」が行われています。
 
 夕方の4時頃にたいまつを持って本館城址の山頂へ出発し、犠牲者の霊を供養したあと麓に戻ってきます。山頂には慰霊碑が設置され、静かな日本海の農村にたいまつが浮かびあがる光景は、戦国時代にタイムスリップしたかのようです。悲しい歴史を弔う人々の思いが込められた鎮魂の行事です。

平成22(2010)年4月掲載

■参考文献
『本館城址説明看板』
『夕映の館説明看板』
『松源院パンフレット』

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