能代市梅内地域は周辺が森林で囲まれた自然豊かな地域です。この豊かな自然は、先人たちが植林をしたことにより拡大されたものでもあります。
 
 明治18年(1885年)、梅内地域で国有林に部分林(国有林野に国以外の団体などが造林し、その収益を国と造林した人が分け合う林地のこと)の契約を結んだことから杉の植樹が行われるようになりました。そして、戦後の復興とともに、さらに植林への意欲が高まり、梅内地域住民に1ヘクタールの原野が均等に配分され、その原野に杉を植林することが勧められました。
 
 ところが、時代とともに木材の需要の低下や海外からの輸入が増加の一途をたどり、間伐などの森林管理は衰退の危機を迎えました。
梅内地域では、先人たちが守り育んできた財産を次世代に残すため、平成24年(2012年)5月に梅内地域の有志で「二ツ井宝の森林(やま)プロジェクト」を立ち上げました。
 翌2013年には「軽トラとチェーンソーで晩酌代を」というキャッチフレーズを掲げ、「木の駅プロジェクト」を始めました。森林整備で発生する残材を集めてチップとして販売し、その木材を出材した方へ、1000円相当の地域内通貨「壱宝(いちたから)」を交付しています。交付された通貨はプロジェクトに登録した店舗で使用できる仕組みになっています。 
 さらに、2014年、「薪づくり倶楽部」を創設。活動のスローガンは「自家用の薪は自分で作る!」。聚落(しゅうらく)で管理する雑木林から毎年、林地を選び、参加者を地域から募集。区割りされた林地を参加者に貸し出し、そこで各自が伐採や玉切りして作った薪を持ち帰れる仕組みを作り出しました。

 そして、2015年に「薪の駅プロジェクト」を開始。この取り組みは、個人所有の林地が対象の活動で、宝の森林プロジェクトが持ち主の委託を受けてその木を薪にして、道の駅や市内の薪ボイラー利用者に販売するものです。 

 また、次世代を担う子どもたちへ森林(やま)に親しんでもらう活動として、子どもたちに地域の森林やふるさとに愛着を持ってもらいたいという思いから、二ツ井小学校の協力を得て、シイタケやナメコの植菌体験、杉の枯れ葉落としや梅内地域の馬子岱集落の公園へモミジを植栽する活動を環境教育の一環として行ってきました。
都市部の住民を対象とした森林の手入れ体験も年に2回行われていて、実際に森林に入りチェーンソーの操作や玉切り作業などの体験作業を行っています。

 そうした活動を見ていた梅内地域のお母さんたちは、お父さんたちと同じく、足下にあるお宝に目を付け、昔から豊富であった山菜で何かできないかと考え、平成28年(2016年)に「梅内山菜倶楽部」を立ち上げました。タラの芽やコシアブラなどの山菜の出荷のほか、二ツ井宝の森林プロジェクトと協力しながらイタヤカエデの樹液の活用方法を模索するなど、梅内地域では新たな目標が次々と生まれています。
 
 このような活動が認められ、令和6年度に県の環境大賞を受賞、そして令和7年度には、地域環境保全功労者の環境大臣賞、さらには過疎地域持続的発展優良事例表彰の総務大臣賞を受賞しました。地域の財産を守るための活動が次の活動へ繋がり、更なる活力が生まれようとしています。


                                   
平成29(2017)年3月掲載
令和8(2026)年1月更新

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