画像:八木沢マタギ

 「マタギ」は北秋田市の根子(ねっこ)集落が発祥の地と言われています。八木沢集落を開拓したのも、約200年前、根子集落から山を越えて住みついた3人のマタギと言われており、根子マタギから分かれた八木沢マタギの存在が、八木沢集落の始まりとも言えます。

 八木沢マタギの主な獲物は、バンドリ(ムササビ)熊、野ウサギ、テン、キツネ、タヌキ、ヤマドリ、アオシシ(ニホンカモシカ)、イタチ。鳥獣たちは山の神からの授かりものとされ、仕留めた肉は、集落の人々と平等に分けあったといいます。

 また獣の毛皮や熊胆(ゆうたん:熊の胆嚢)などは、当時たいへんな高値で取引され、マタギは一家の家計を支えていました。八木沢の人々はマタギに限らず、みな自給自足の生活を送っており、狩猟で得た獲物の他に、水田や畑をつくり生活を支えてきました。

 八木沢マタギは2009年、八木沢自治会長・佐藤良蔵さんが、銃を警察署に返納したことで消滅しました。しかし八木沢マタギの記憶は、八木沢や集落外に移り住んだ人々の中に今も生き続けています。

平成23(2011)年6月掲載
■参考文献
『上小阿仁村史・通史編』
『上小阿仁村百年誌』

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