北秋田市前野地域の中心部から北西、綴子小学校から北側に、江戸時代の雰囲気を今に伝える「羽州街道」の一里塚が残されています。
羽州街道は、江戸時代初期に徳川幕府により、現在の福島県から青森県を結ぶ主要街道として整備されました。その一環として、慶長9年(1604年)、二代将軍徳川秀忠の命を受け、秋田藩主佐竹義宣により県内の街道沿いに一里塚が設置されました。
旅の目安や休憩所となるように1里(約4キロメートル)ごとに高く盛土をし、木を植えました。大堤一里塚は主要街道の起点・江戸日本橋から167里、秋田県内では54番目の地点にあたります。街道を挟んで二つの盛土が残り、秋田県北を代表する貴重な一里塚として昭和62年(1987年)に秋田県指定史跡となっています。能代の檜山と大館の陣場(矢立)の中間に位置し、どちらからも十里の位置にあったため「十里塚」とも呼ばれていたようです。
前野地域が含まれる綴子地域は、秋田県内で一度二つに分岐した羽州街道が、再び合流する交通の要所であったため、宿駅が設置され、津軽藩主の参勤交代時には本陣がおかれた大きな宿場町でした。大堤一里塚を通った旅人は、「宿までもう少しだ」とほっとしたのではないでしょうか。
前野地域から一里塚を訪れるには、舗装されていない旧街道を西に向かいます。(車では入れません)。街道を進むと「綴子村内大堤塚」と書かれた白い標柱と石碑、案内看板が設置されています。歴代の津軽藩主や菅江真澄、吉田松陰も通った旧街道。江戸時代の旅人気分で訪れてみてはいかがでしょうか。
平成27(2015)年3月掲載
■参考文献
『鷹巣町史』
『秋田・羽州街道の一里塚』佐藤晃之輔
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