小友沼は江戸時代に榊地区の240町歩の開田とあわせて造成された水田灌漑用の溜池で、面積約5.5ha。周緑部にはヨシ郡、マコモ、ショウブ、内部にはヨシ原が広がっている。
最盛期にはガン類が11万羽、ハクチョウ類が1万羽を超える渡り鳥が飛来するなど、自然価値の高い渡りの中継地点であるほか、ミサゴやオジロワシなどの絶滅危惧種を含むさまざまな生物の生息地でもある。このことから1998年に県指定鳥獣保護区に設定され、2010年3月25日には農林水産省のため池100選に選定。平成11年に東アジア・オーストラリア地域渡り性水鳥重要生息地として参加登録されている。
この溜池は、近世初期に58年の歳月をかけ志戸橋野台地からしみ出た水を灌漑用にするため、堰き止めて造られたと伝えられている。300年を越える維持管理が行われてきているが、沼の水深は浅く、深い所でも2mもなかったことから、水争いが絶えなかったと言われている。戦後この水不足を解消するため、近くを流れる米代川から大型のポンプで水を引き入れ不足分を補うようにした。
沼の南北はいずれも小高い丘である。北側の丘は北斜面がクロマツとコナラからなる林。沼に面した南斜面はツツジなどからなる小潅木。また南側の丘はクロマツとスギの林。沼の裏側はヨシ原からなる湿地帯である。榊土地改良区では、小友沼の浮島に龍神社を建て、6月28日に雨乞い祭りをする。沼のほとりに祭壇を設け、大海津見大神、豊玉姫を祀って祭事をおこない、代表者が小舟を使って沼の対岸の浮島に建てた龍神社に行き、供物や御幣を供えてくる。その後お神酒をいただき、直会に入る。