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歴史を知る

松館の絆「もうす」

画像:松館の絆「もうす」

-もうす、が生み出す同年代の絆-

 松館地域には、独特の集団「もうす(もうし)」と呼ばれるものがあります。
「もす」とも「もうし」とも呼ばれるのは、だいたい5~6歳ごとの年齢幅を持った同年齢の集団をさし、最年長の「年頭」を中心に集落内でグループを形成しています。
冠婚葬祭、農作業などの相互扶助だけでなく、宴会、旅行などもこのグループで行われることが多く、さらには自治会の役員選定や伝統芸能の保存、イベント運営すら、この「もうす」を中心に行われ、地域にとって欠かせない集団となっています。

 特に制度化されているわけではありませんが、非常に古い時代から松館の集団組織の一つとして機能してきました。その起源は、尾去沢鉱山を初めとした無数の鉱山町へと卸す、「炭」の生産から始まりました。

 雑木の伐採から切り出し、そして炭焼きを行う間、数カ月も山にこもる仕事は、下界との接触を断たれ非常につらく寂しいものでした。

 そこで、山に登る前、グループごとに盛大に宴会を開きました。これから山に行って仕事を行う自分たちへの決意と区切り、そして地域の人々、産土神へ決意を「申し上げる」、このことから「申す」「申し」といった名前になったと言われています。

 こうして生まれた集団は、天神フェスティバルの出し物のグループ、飲み会や旅行のグループ、そして農作業の相互扶助、冠婚葬祭に出席しあう、という親密さです。

 また、自治会の役員も、「もうす」のグループの中心人物たちが数年交代で先輩達と入れ替わるならいになっており、それぞれの役職も、現職の下に次の「もうす」のグループの人たちが入ることで、自然に仕事や段取りを覚えるため、引き継ぎや後継者に悩まなくてもすむという流れが出来上がっています。

 地域に伝わる権現舞もまた、世代交代が「もうす」単位で進んでいくことにより、「ああ次は俺たちだな」という自覚が自然と生まれていきます。

 はっきりと制度化されていないからこその柔軟性と、普段づきあいから生まれる結束力を併せ持つ「もうす」は、松館集落の活性になくてはならないものです。

2011年4月掲載

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