本文へスキップ

歴史を知る

雲厳寺(うんがんじ)

画像:雲厳寺(うんがんじ)

 

 

-白岩の歴史と文化を代表する古刹-

 ちょっとユルめの小坊主たちが入り口でお出迎えをしてくれるのが、雲巖寺のおもてなし。寺の境内では、ユニークな小坊主の置物を見る事ができます。「先代の和尚が作らせたものです。冬は寒くて可哀相だから室内に入れてあげてますけどね」。笑いながら語るのは、現在、雲巖寺の住職を務める桃園豊弘さんです。

 中世、現在の仙北郡一帯を統治した戸沢氏の配下・白岩盛基によって創建された雲巖寺は、みちのくの小京都・角館とは異なる武家の空気を感じられる寺院です。境内には重要な造形物が数多く残っており、見所は何といっても秋田県の重要無形文化財に指定されている山門。この山門には東北の左甚五郎と呼ばれた高橋市蔵制作の仁王像が設置されており、今にも動きだしそうな躍動感を味わえます。その他にも、子供達の成長祈願を込められた千体仏、ちょっと怖い長沢芦雪の幽霊掛け軸も必見。雲巖寺は白岩の文化が結集した空間といえます。

『ご自由にお入りください』と書かれた木札が置かれた本堂には、アンテナが付いた昭和のテレビに、臼や鋤など、今は使われなくなった農作業道具などの懐かしい骨董品が目につきます。「先代の住職が檀家に拝みに行った時に、使われなくなった物を貰ってきたのが始まりです。いつの間にかこんな量になってしまいました」重厚な建造物と冒頭の小坊主の置物などの庶民的な空間が一同に同居しているのも雲巖寺の魅力の一つといえます。
 『お寺らしく立派にしよう』という考えはまったく無いと語る桃園さん。「この寺は誰でも出入り自由。角館のタクシー運転手は観光客をつれて自分達で寺を自由にガイドしています」。2009年、雲巖寺は韓国ドラマ『アイリス』のロケ地に使用され、主演のイ・ビョンホンが葬式に出席するシーンには桃園さんも出演されています。韓国でドラマが放送されて以来、雲巖寺は毎日、観光客が訪れる寺となりました。「でもね、ロケ地だったからという目的だけで帰ってしまう観光客が多い。せっかく来たのだから、この場所の歴史や人々の営みを地元と観光客が共有できれば、この寺も街の活性化に役立てるんじゃないかと思います」。
 地元の郷土芸能・白岩ささらや白岩燈火祭などのイベントにも参加している雲巖寺。地元の人々に開かれた場所として昔も今も白岩の中心地に佇んでいます。
2010年4月掲載

ページ上部へ戻る