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風土を楽しむ

釜ヶ台番楽

画像:釜ヶ台番楽

-観客も参加者です!-

 2010年8月20日。日が落ちると、釜ヶ台多目的会館の前では、浴衣姿の男たちがお囃子を演奏し始めます。会館内の舞台には「獅子舞」と書かれた幕が張られ、地元の方々が次々と集まってきます。この舞台は、番楽を行うためにわざわざ設けられたものといいます。

 幕の陰では出演者たちが着替えを終え、入念に舞いの最終確認をしています。準備が終わると、廊下で衣装のまま談笑していた人たちも、徐々に表情が引き締まってきます。

 釜ヶ台番楽は、鳥海地域を中心に広がる「本海流番楽」の流れをくむもので、冬師をはじめ、伊勢居地、由利町屋敷などの番楽と共通点が見られます。しかし、その拍子が他の地域が三拍子の中、釜ヶ台番楽は五拍子のお囃子で舞われます。

 14日は新盆を迎える仏の供養のための「初棚」公演、そして15日は獅子舞が各家庭をまわる「悪魔祓い」が行われます。今年新盆を迎える家庭では、特別に2演目が舞われます。

 その後、8月20日には、お盆の後に行われる「遅れ盆」の公演が行われます。

 さて、番楽の公演といえば、観客は静かに座って舞を見るものと思いがちですが、釜ヶ台の番楽は一味違います。途中の演目で舞い手がいきなり客席に乱入し、派手なパフォーマンスが繰り広げられるのが釜ヶ台流です。

 ひょっとこ面を着けた舞い手が子どもたちめがけて駆け寄り、そのまま連れ去ったり、夫婦役の舞い手が、客席に尻を向けながら滑稽な動作で餅つきを披露したり、観客に飛びかかったり。

 演目は全部で18演目。全てを舞うには4時間以上が必要です。こうしたパフォーマンスが始まるのは3~4演目。見ている方も油断できません。

 郷土芸能といった堅苦しさよりも、集落の皆が楽しみにしている娯楽、という和やかな雰囲気があります。釜ヶ台集落で番楽を鑑賞すると、芸能が人々の身近に生きて演じられていることを実感することができます。

 

2011年4月掲載

■参考文献『仁賀保町史』

【公式サイト】釜ケ台番楽保存会
Twitter(@kamagadai_bngk)
Facebook(@KamagadaiBangaku)

【関連リンク】産地直送ブログ
釜ケ台番楽ギャラリー集(2019年8月掲載)
にかほ市釜ケ台地域の夏祭り(2019年8月掲載)
元気ムラの伝統芸能~鳥海山麓の番楽(2013年6月掲載)
第3回鳥海山伝承芸能祭リポート(2012年10月掲載)
お盆の夜の風物詩、冬師・釜ヶ台の番楽~釜ヶ台編~(2011年8月掲載)

また、秋田民俗芸能アーカイブスでは、釜ヶ台番楽の動画を閲覧することができます。この機会に、ぜひご覧ください。
→秋田民俗芸能アーカイブス「釜ヶ台番楽

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